『鍵のかかった部屋』で改めて感じる戸田恵梨香の成長 次週は『SUITS/スーツ2』とのコラボも

『鍵のかかった部屋』戸田恵梨香の成長ぶり

 2012年4月クールに放送されたフジテレビ系列月9ドラマ『鍵のかかった部屋』の特別編が、先週に引き続いて5月18日にも放送された。この第2話で描かれたのは、原作でも第3巻の表題となっており、このドラマのタイトルにも選ばれたエピソード「鍵のかかった部屋」。タイトル自体が密室=“鍵のかかった部屋”という先入観がもたらすミスリードとなっており、科学的アプローチを駆使した密室トリックしかり、王道のミステリーの様相を呈したストーリーしかり、作品全体を背負うにふさわしい好エピソードといえよう。

 青砥(戸田恵梨香)と芹沢(佐藤浩市)の事務所に、会田(中村獅童)という男を連れて訪ねてきた榎本(大野智)。会田の甥・大樹が自宅の部屋で練炭を用いた一酸化炭素中毒で死亡し、自殺と断定されたというのだ。早くに母親を亡くし、妹の美樹(福田麻由子)を置いて自殺するとは思えないという会田は、継父の高澤(高嶋政宏)が殺したのではないかと疑念を抱く。死の真相を探り始めた3人は、高澤の協力を得て現場の部屋をくまなく調べていく。

 そして榎本は、「ボイル・シャルルの法則」と紙テープの欠片から、ひとつの仮説に辿り着くことに。新型コロナウイルスによって現在連続ドラマの撮影がストップしている昨今。民放各局では以前放送されたドラマの再放送、ないしは再編集を施した特別編なり総集編の放送が続けられているわけだが、その年代もジャンルも様々とあって、いくつかのドラマで共通したキャストの姿が見受けられることもしばしばだ。この『鍵のかかった部屋』に出演している戸田恵梨香もその1人で、日本テレビ系列の土曜22時に再放送されている『野ブタ。をプロデュース』でもサブヒロインとして登場するのである。

 本ドラマが放送された2012年には、すでに『デスノート』でのブレイクを経て、『LIAR GAME』(フジテレビ系)や『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』(フジテレビ系)、『SPEC』(TBS系)といった代表作を獲得していた戸田。一方で『野ブタ。』が放送されていた2005年はまだ売り出し途上の若手女優のひとりであり、演技も雰囲気も垢抜けない印象が拭い切れていない。昨年『スカーレット』でNHKの連続テレビ小説のヒロインを務め、ふたたび大きなブレイクのチャンスを得ただけに、女優としての成長ぶりを確認するには絶好のタイミングといえるだろう。しかもその『スカーレット』で戸田が演じた喜美子の末の妹・百合子を演じていた福田麻由子が今回のエピソードのゲストだったというのも面白い偶然だ。

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