イーサン・ホークも絶賛 レモンヘッズ元メンバーが『15年後のラブソング』監督に抜擢された理由

『15年後のラブソング』監督の正体

 6月12日より公開される映画『15年後のラブソング』より、ジェシー・ペレッツ監督とイーサン・ホークのコメントが公開された。

 本作は、欧米で人気を誇る小説家ニック・ホーンビィの原作をもとに、人生のリアルに押し流されながらも、どうにか新しい一歩を踏み出そうともがく“大人になりきれない”男女3人を、ローズ・バーン、イーサン・ホーク、クリス・オダウドが演じるヒューマンドラマ。ホークは伝説のミュージシャンを演じ、歌声を披露している。

 30代後半のアニーのもとに、一通のメールが舞い込む。送り主は、90年代に表舞台から姿を消した伝説のロックシンガー、タッカー・クロウ。腐れ縁の恋人ダンカンが心酔するミュージシャンだった。イギリスの港町サンドクリフとアメリカのニュージャージー州の田舎町。海を隔てた遠く離れた二つの街で、思いがけなく出会った博物館勤めのアニーと、伝説のミュージシャン、タッカー・クロウ。そこにアニーの恋人ダンカンも加わって、不思議な三角関係が描かれる。

 本作の監督は、90年代初頭に人気を博したロックバンドのレモンヘッズ初代ベーシストだったジェシー・ペレッツ。レモンヘッズは、1986年にボストンで結成されたたオルタナ・ロックを代表するバンド。本作でホークが演じている、忽然と表舞台から姿を消したロックスターのタッカー・クロウが活躍していた90年代初頭は、レモンヘッズがブレイクして人気絶頂だった時期。ペレッツは、バンドのメジャーデビュー後に脱退し、映像の道に進んだ。

 ペレッツ監督は、「この作品のテーマやキャラクターは僕の人生と重なるものだ。僕自身がタッカーだったとは言わないが、タッカーのような人物を大勢見てきた。監督業に転向する前は、レモンヘッズというバンドにいたからね。そんな前歴があれば、90年代初頭のインディー・ロックのコンサートの雰囲気も分かる。経験に基づいた知識もそれなりに豊富だ。ファンが抱いていたファンタジーや、ロックスターの振る舞い。ファンタジーには真実もあれば現実とは解離した妄想もある。僕はインディーロックの世界を本当に知っているから、この映画の監督に選ばれたんだ」と語っている。

 主演のホークも、「ジェシーと初めてNYで会ったのは、彼がちょうどレモンヘッズを脱退した頃。その頃彼は、“映画を監督したい、元レモンヘッズの才能がある人物”と言われていたよ。有名なロックバンド出身の映画監督なんてそうそういるもんじゃないから、彼がやるだろうと感じていたし、この映画の監督は、彼以外にいない」と言い切るほど絶賛している。

 また、『ハイ・フィデリティ』や『アバウト・ア・ボーイ』の原作者として知られるホーンビィ作品には、音楽が欠かせない重要なものとして知られている。自身の経験から抜擢されたペレッツ監督の選曲も音楽ファンを唸らせる内容で、ザ・ビートルズやザ・フーと並んでブリティッシュ・ロックを代表するバンド、ザ・キンクスの名曲「ウォータールー・サンセット」が、タッカーとヒロインの人生を変える運命のラブソングとして使われている。

ジェシー・ペレッツ監督

■公開情報
『15年後のラブソング』
6月12日(金)より、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほかにて全国公開
監督:ジェシー・ペレッツ
原作:ニック・ホーンビィ
出演:ローズ・バーン、イーサン・ホーク、クリス・オダウド
配給:アルバトロス・フィルム
提供:ハピネット/ニューセレクト
後援:ブリティッシュ・カウンシル
2018年/アメリカ・イギリス/英語/97分/シネスコ/デジタル5.1ch/原題:Juliet, Naked/日本語字幕:松浦美奈
(c)2018 LAMF JN, Ltd. All rights reserved.

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