齋藤飛鳥×山下美月×梅澤美波が三者三様の魅力を発揮 『映像研』でのチームワークの良さ

乃木坂トリオ、『映像研』で発揮する調和

 そして映像研の面白さの一番のキーとなっているのが、梅澤美波演じる金森さやか。浅草と同じ中学校からの同級生でいつもつるみ、アニメの知識や興味はないが、浅草とツバメの才能に金の匂いを感じ映像研を立ち上げる。妄想に勤しむ2人とは違い現実主義者で、プロデューサー的な役割を担い、原作では厳しい生徒会側と見事な交渉を見せていく。

 この役の一番の特徴と言えば、やはり高身長で頼れる存在だということ。原作の180cmはないものの、梅澤は乃木坂一番の高身長の170cm。齋藤の背が低いのでその差が際立ち、浅草からお金をしっかりせしめたり、浅草を片腕で首を絞め逃げられないようにするなど、浅草をそのクレバーさでコントロールしており、2人の凸凹な関係がとても面白い。

 梅澤は乃木坂3期生のまとめ役として知られ、ライブや舞台で見せる高身長を生かした美しく大胆パフォーマンスは、圧倒的なステージ映えを見せる格好良さだ。演技においても、『ザンビ』の記者会見の時には、共演した欅坂46の菅井友香が「自然と涙があふれてくるような、一緒に出ているのに感情移入しちゃうような演技」(引用:ステージナタリー|「ザンビ」開幕に“三坂道”メンバーが意気込み、齋藤飛鳥の映像出演も発表)と絶賛するほど。齋藤と山下という1期と3期のエースをまとめるには圧倒的な存在感がないと説得力に欠けるが、梅澤は見事にその高身長と演技力を活かし、2人をうまいこと泳がせながら時に突っ込んでいく。乃木坂ファンにとっては、大先輩である齋藤を人形のように振り回す、普段では絶対ありえない姿が面白いのだが、実際は齋藤の頭を叩くシーンには苦戦したそうで「これはすごく苦労しましたね。飛鳥さんが『気にせずやって』と言ってくださったのもありがたかったです」(引用:ザテレビジョン|乃木坂46 齋藤飛鳥、白石麻衣卒業も「乃木坂の“最強の世界”はまだまだこれから」<「映像研には手を出すな!」インタビュー>)と語っている。結局何度も先輩の頭を叩くことになったというが、そうした先輩と後輩の垣根を越えていくことで、3人ならではのチームワークが生まれてくるのだろう。

 一見真逆のタイプに見える浅草とツバメが、セッションのように最強の世界を創造していくそのワクワク感。それを暖かく見守る金森というこの構図が、本当に観ていて嬉しい気持ちにさせてくれる。女優としても三者三様の新たな魅力が見事に調和しているからこそ、『映像研』が面白いのである。

■放送情報
ドラマ『映像研には手を出すな!』
MBS/TBSドラマイズム枠にて放送中
MBS:毎週日曜24:50〜/TBS:毎週火曜25:28〜
出演:齋藤飛鳥、山下美月、梅澤美波、小西桜子、グレイス・エマ、福本莉子、松崎亮、鈴之助、出合正幸、高嶋政宏
原作:大童澄瞳『映像研には手を出すな!』(小学館 『月刊!スピリッツ』連載中)
監督:英勉
(c)2020 「映像研」実写ドラマ化作戦会議 (c)2016 大童澄瞳/小学館
実写映画&ドラマ公式サイト:https://eizouken-saikyo.com/
実写映画&ドラマ公式Twitter:@eizouken_saikyo

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