『新感染』続編は前作とは完全に別モノ!? 初映像から入り混じる期待と不安

『新感染』続編、初映像からの期待と不安

 これ大丈夫なんですか!? 1年に何本か、不安と期待が半々、バクチのような気持ちになる予告編が登場するものだ。何の話かといえば、先日公開された『新感染 ファイナル・エクスプレス』(2016年)の続編『Peninsula(英題)』(2020年)の話である。

『新感染 ファイナル・エクスプレス』(c)2016 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & REDPETER FILM. All Rights Reserved.

 『新感染』といえば、韓国産の超大作ゾンビ映画だ。ソウル発プサン行きの高速鉄道の中に、全力疾走×即感染タイプのゾンビが駆け込み乗車でさぁ大変。この1アイディアをベースに、濃厚な人間模様にノンストップのアクション、そしてスリル・ショック・サスペンスがテンコ盛りの傑作だった。とりわけ日常が徐々にブッ壊れていくゾクゾク感と、コン・ユ演じる自己中心的な主人公が、ゾンビとの戦いを経て、娘への愛を取り戻す姿は感動的。クライマックスに用意された号泣シーンの連打は、今でも語り草となっている。

 そんな完成された作品だからこそ、続編を作ると聞いたとき、私は正直に言って不安になった。「何をやっても蛇足になるのではないか?」と思えてならなかったのだ。そんなところに、コレである。

TRAIN TO BUSAN PRESENTS: PENINSULA (2020) Official Teaser | Zombie Action Movie

 これ大丈夫なんですか!? あまりにも別モノである。時はまさに世紀末といった風景に、よどんだ街角で銃を構えるカン・ドンウォン。かと思ったら、謎のゾンビコロシアムにカーチェイスに銃撃戦。完全にジャンルが変わっている。かなり思い切った方針転換だ。これが吉と出るか凶と出るかは……正直、前作が大好きだった人間としては不安もある。思えば、きっと1986年のSFホラーファンもこういう気持ちだったのだろう。

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