『新感染』続編は前作とは完全に別モノ!? 初映像から入り混じる期待と不安

『新感染』続編、初映像からの期待と不安

 「宇宙では、あなたの悲鳴は誰にも聞こえない」これはSFホラーの古典『エイリアン』(1979年)の日本版キャッチコピーだ。その数年後、同作には続編ができるわけだが、そのポスターには「今度は戦争だ!」と、景気の良すぎる惹句が踊った。未知の怪物ゼノモーフの恐怖を描いた1作目から一転して、『2』は宇宙海兵隊とゼノモーフ軍団の大乱戦をアクション大作になっていたのである。しかし、結果的に『2』は『1』に勝るとも劣らない、後世に語り継がれる傑作となった。『Peninsula』も同じ道を辿れる可能性がある。制作陣は、そういう賭けに出たのだろう。

 ちなみに監督のヨン・サンホは『Peninsula』について、『ランド・オブ・ザ・デッド』(2005年)や『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(2015年)と並べて、日本の漫画『ドラゴン・ヘッド』と『AKIRA』から影響を受けた作品だと語っている(参考:IndieWire|‘Train to Busan’ Director Teases Sequel ‘Peninsula,’ Inspired by ‘Mad Max’ and ‘Akira’)。ここで引っかかるのは『AKIRA』だ。大災害の中で高校生がサバイバルをする『ドラゴン・ヘッド』からの影響は、予告を見た感じで何となく分かる。しかし『AKIRA』は分からない。ひょっとすると次の予告編にはサイキック要素まで入るのだろうか? ゾンビ、世紀末、銃撃戦、カーチェイス、おまけにサイキックまで入ってくると、これはもう過剰の極みであろう。楽しみな反面、やはり心配になる。あまりに大ネタを盛りすぎた結果、失敗した作品はたくさんあるからだ。しかし一方で、『テレビ千鳥』(テレビ朝日系)の「DAIGO’Sキッチン」理論で美味くなる可能性もあるので……やはり期待も高まる。そして邦題が『新感染2 ファイナル・ミッション』になる気がしてならないが、ともかく今は本作と笑顔で向き合えるように、コロナが1日も早く終息することを祈りたい。

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■公開情報
『Peninsula(英題)』
日本公開未定
監督:ヨン・サンホ
脚本:パク・ジュソク、ヨン・サンホ
出演:カン・ドンウォン、イ・ジョンヒョンほか

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