『魔進戦隊キラメイジャー』の“安定感”と“懐かしさ” いまを明るく照らす戦士たちの輝き

『魔進戦隊キラメイジャー』の“安定感”と“懐かしさ” いまを明るく照らす戦士たちの輝き

 スーパー戦隊シリーズの魅力は、大いなる「型」にある。色鮮やかなスーツを身にまとったヒーローチームが、雄々しく名乗り、協力して悪の怪人を倒し、ロボットに乗り込んで再度迎撃する。誰もが見慣れたこの「型」こそが、何世代にもわたって愛される安定感を生むのだ。現在放送中のシリーズ第44作『魔進戦隊キラメイジャー』(テレビ朝日系)は、そんな安定感が凄まじい、盤石のクオリティを誇っている。

 闇の帝国・ヨドンヘイムの侵略を受けた、宝石の国・クリスタリア。難を逃れて地球に辿り着いた王女・マブシーナは、ヨドンヘイムに対抗するための戦士、キラメイジャーを探すことに。eスポーツ界No.1プレイヤー、女子陸上界のスーパースター、イケメンアクション俳優、美しすぎるスーパー女医……。各界で活躍する有名人をスカウトするも、肝心のキラメイレッドが見つからない。そんな最後のひとり、類まれない創造力を有する戦士に選ばれたのは、何も持たない普通の高校生・熱田充瑠(小宮璃央)だった。果たして、彼らはキラメイジャーとしてチームを結成することができるのか。

 本作における「安定感」は、そっくりそのまま、ある種の「懐かしさ」と表現することができる。

 近年のスーパー戦隊シリーズは、従来の「安定感」からいくらか距離を取った作品が続いていた。初期メンバーが9人というイレギュラーチーム『宇宙戦隊キュウレンジャー』や、ふたつの戦隊が常に対立する『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』、王道路線の中に変化球や意外性を秘めた『騎士竜戦隊リュウソウジャー』。だからこそ、定番の「型」にキャラクターのインパクトやエンタメ性をまぶした『キラメイジャー』は、どこか懐かしい、お馴染みの作風に感じられる。緻密に組み上げられたプロットと、力強いメッセージが、「楽しく」「明るく」「派手に」暴れまわる。特に、20~30代の視聴者に刺さるのではないだろうか。

 それもそのはず、プロデューサーを務める塚田英明が過去に手掛けた作品は、2004年の『特捜戦隊デカレンジャー』や、2005年の『魔法戦隊マジレンジャー』など。楽しくて、明るくて、派手。観ていると、とにかくシンプルに元気をもらえる。そんな、日曜の朝に相応しいテンションが特徴的だ。今やシリーズ恒例となり、『キラメイジャー』でも採用されたエンディングテーマのダンスも、『デカレンジャー』や『マジレンジャー』の時代に確立された要素である。

 また、その他のスタッフも実力派ぞろいだ。脚本には『仮面ライダークウガ』『海賊戦隊ゴーカイジャー』の荒川稔久、アクション監督に元スーツアクターの福沢博文、特撮監督の佛田洋と、シリーズファンにはお馴染みの面々が名を連ねる。この座組みを見ただけで一定のクオリティを予感させる、贅沢な布陣だ。

 また、パイロットでメガホンを取るのは、2018年の『平成仮面ライダー20作記念 仮面ライダー平成ジェネレーションズ FOREVER』を大ヒットに導いた山口恭平監督。近年、平成仮面ライダーシリーズからスーパー戦隊シリーズに軸足を移す若手監督が多いが、山口監督もまた、その一角である。明朗かつアイデアに満ちた画作りは、実に手堅い。

 こうしてスタッフ陣を改めておさらいすると、ともすれば2000年代を懐古する作品を予感させる。もちろん、前述のようにその頃の「懐かしさ」が印象深い仕上がりではあるが、『キラメイジャー』が面白いのは、その「懐かしさ」に全く胡坐をかいていない点だ。

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