小野大輔はなぜ愛される? 鉄壁のバリトンボイスと自己プロデュースで輝く個性

 小野のプロデュース能力はどこからくるのか? 小野大輔は、1978年5月4日生まれの41歳、高知県出身。もともとは放送業界への就職を希望しており、日本藝術大学放送学科を卒業し、ラジオ番組制作に携わった経験も持つ。ちなみに日藝放送学科の卒業生には、脚本家・君塚良一、脚本家/俳優・宮藤官九郎、作家の家田荘子、放送作家/脚本家の小山薫堂など放送業界のエリートが名を連ねる。小野と言えば、声優仲間の下野紘とのコンビによる旅番組『小野下野のどこでもクエスト』(2018年7月〜/BS11ほか)が話題になったが、行き当たりばったりの旅をいかに面白くするかは、テレビについて学んだ小野であれば心得たもの。ドタバタ旅が好評を呼んで、今秋BS11などで第2期が放送されることが決定している。演者で表に立ちながら持ち前の裏方気質を併せ持ち、多彩なコンテンツを世に送り出す。日藝で学んだものが、声優としての活動の延長上で生きている。“小野D”という愛称は、案外ディレクターの意味も含んでいるのかもしれない。

 内田雄馬や仲村宗悟など、若手の台頭が著しい現在の男性声優界。彼らが世に出る道筋を立てたのが、小野を初めとしたセミベテランだ。同じ2002年の声優デビュー組には、宮野真守、下野紘、鈴木達央、藤原祐規。同い年の41歳には、福山潤、間島淳司など。また『Original Entertainment Paradise』(通称:おれパラ)で活動を共にする岩田光央、鈴村健一、森久保祥太郎など、いずれも多彩な活動で知られる人物ばかり。そんな個性豊かな仲間たちと共に切磋琢磨しながら、その後の声優ブームの基礎を作ってきた小野。その中に決して埋もれることがなかったのは、頭脳明晰でユーモアにも溢れるナイスガイな人柄があればこそ。先輩のベテラン声優と同胞たちは、そんな彼のことを愛と敬意を込めて“小野D”と呼んでいる。

■榑林史章
山椒は小粒でピリリと辛い。大東文化大卒後、ミュージック・リサーチ、THE BEST☆HIT編集を経て音楽ライターに。演歌からジャズ/クラシック、ロック、J-POP、アニソン/ボカロまでオールジャンルに対応し、これまでに5,000本近くのアーティストのインタビューを担当。主な執筆媒体はCDジャーナル、MusicVoice、リアルサウンド、music UP's、アニメディア、B.L.T. VOICE GIRLSほか、広告媒体など。2013年からは7年間、日本工学院ミュージックカレッジで非常勤講師を務めた経験も。

■放送情報
『ファンタシースターオンライン2 エピソード・オラクル』
TOKYO  MXにて、毎週月曜22:30〜放送
BS11にて、毎週月曜23:30〜放送
(c)SEGA/PHANTASY STAR PARTNERS 2019
公式サイト:http://pso2.jp/anime_eporacle/

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