小野大輔はなぜ愛される? 鉄壁のバリトンボイスと自己プロデュースで輝く個性

 映画『ドクター・ドリトル』でラマ・ミレックの吹き替えを担当し、ゴリラのチーチー役をユーモアたっぷりに演じて評判の小野大輔。Netflixで全世界に『Ψ始動編』が配信されているアニメ『斉木楠雄のΨ難』シリーズでは、モヒカンの強面キャラクターの燃堂力でお馴染みだ。また、映画『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』では、デジモン研究者の助手・井村京太郎、TVアニメ『ポケットモンスター』(テレビ東京系)では世界最強のポケモントレーナー・ダンデと、演じる役の振り幅の広さは声優界随一と言っても過言ではない。また、声優の仕事に止まらず、ラジオ番組での読み聞かせや、舞台、音楽活動、さらに地元・高知の蔵元である司牡丹の純米酒をプロデュースなど実に多彩。声優デビューから20年近くに渡り最前線で活躍する、小野大輔の魅力とは?

理論武装したバリトンボイスは鉄壁

『ファンタシースターオンライン2 エピソード・オラクル』(c)SEGA/PHANTASY STAR PARTNERS 2019

 小野大輔の魅力は、ひとつはその声だ。横隔膜に響くような低音のバリトンボイスは世の女性の憧れで、15年ほど前に始まった“イケボブーム”の火付け役のひとりとして、実際に多くのイケメンキャラクターを演じてきた。『黒執事』(MBS/TBSほか)では気品高く冷徹無比なセバスチャン・ミカエリス、『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEシリーズ』(TOKYO MX)では無口だが一本筋の通った性格の皇綺羅、さらに『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズ(TOKYO MX)では、シリーズきっての人気キャラクター・空条承太郎を演じた。目を閉じて声を聴けば、どんな人でもイケメンを思い浮かべる唯一無二の声の持ち主。演じた役柄も相まって、“声のカリスマ”と呼んでいいほどの存在感を発揮してきた。

 その一方で、声だけではなく演技力の面でも声優界では一目置かれている。たとえば『おそ松さん』(テレビ東京ほか)では松野家の五男で“明るい狂人”十四松、『はたらく細胞』(TOKYO MX)ではマッチョなミリタリーのキラーT細胞といった、個性豊かなキャラクターの演技も評価が高い。人気ゲームを原作にしたアニメ『ファンタシースターオンライン2 エピソード・オラクル』(TOKYO MX)では、ひとりの命と人類の命の狭間で葛藤する悩める主人公のアッシュを見事に演じた。こうした役を演じる上で、小野のベースにあるのは、ロシアの劇作家であるスタニフスラフスキーが提唱した演技論のひとつ「貫通行動」だという。芝居における演技はその役が目的を叶えるための行動であり、目的が明確になればおのずと演技の道筋も見えてくるというもの。こうした理論に裏付けられた確かな演技があればこそ、どんな役柄にも命を吹き込み、多くの視聴者を魅了することができるのだろう。

自己プロデュースで輝く個性

 小野は、声や演技だけでなく、プロデュース能力が高いことでも知られる。Tシャツなどのイベントグッズに始まり、地酒のプロデュース、現在は個人事務所での活動していることからも、自己プロデュース能力は必須だ。2008年からソロ音楽活動も行い、3月4日に自身がナレーションを務める劇場版『ウルトラマンタイガ ニュージェネクライマックス』の主題歌「ドラマティック」をリリースしたばかり。これまでに2枚のアルバムと13枚のシングルをリリースし、2ndアルバム『STARTRAIN』(2018年)の表題曲や「オリオンの夜」など、多くの楽曲で作詞を手がけている。また、放送作家らと組んだエアーバンド“MASOCHISTIC ONO BAND”での活動経験や、岩田光央・鈴村健一・森久保祥太郎との4人でホストを務めるライブイベント『Original Entertainment Paradise』(おれパラ)は、毎年開催し昨年12回目を迎えた。

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

音楽記事ピックアップ