『恋つづ』七瀬は天堂と肩を並べて歩く 令和の少女マンガ的ラブストーリーが伝えたもの
「こんなのドラマじゃん」とツッコミたくなるシーンの連続に、ふと気づく。それを言うのは、現実の世界の話だったと。そして、思わずこんなことを言いたくなったのは、きっとこのドラマに現実を感じていたから。それは「たけもね」の呼び名でファンから愛された、佐藤健と上白石萌音の2人にほかならない。ドラマがスタートするころ、どこか主演のポジションに恐縮気味な上白石と、自分にできることをやっていこうという強い覚悟を持った佐藤健の姿が印象的だった。
だが、回を重ねるうちに徐々に2人の距離が縮まっていく様子が、番組公式SNSで披露されるプライベートショットのような動画でも伝わってきた。恋愛から仕事上のパートナーになろうという七瀬と天堂との関係性とは逆方向に、「たけもね」の場合は仕事上のパートナーとしての信頼関係が生まれことで、本当の恋愛関係にあるような空気感が作り出せたのではないだろうか。
きっと、私たちはいつも現実の中にドラマを見て、ドラマの中に現実を探しているのだ。いい役者とは、その境目が曖昧になるような世界を作り上げてくれる人のことなのかもしれない。上白石は七瀬とリンクする形で、自信を身につけた大人の女性的魅力が増していき、佐藤健はそんな上白石のことを頼もしく思いながらも可愛がる様子が天堂と重なって見えた。さらに、もとからあった上白石の健気さ、佐藤健の色気も相まって、2人のリアルが、このドラマをこれほどの話題が集まる作品に仕上げたのだ。
オンエア後Twitter上では、「恋つづ」「佐藤健」「勇者ちゃん」「天堂先生」「来生先生」……と、関連用語が次々とトレンド上位に並び、なかには放送開始直後から甘々シーンの連続に「開始1分」がトレンド入りを果たす。さらに、動画配信サービスのParavi(パラビ)が公式Twitterで「きゅんきゅんに耐えられず、Paraviのサーバーが“キュン死“してしまいました」とつぶやかれたように、見逃し配信のアクセスが集中するほど、多くの人を夢中にさせた『恋つづ』。
「たけもね」の2人が、リアルな人間力で見せてくれた王道の胸キュンドラマ。今度は私たち自身が、自分の人生に「ドラマ」を作り出す番だ。
■放送情報
火曜ドラマ『恋はつづくよどこまでも』
TBS系にて、毎週火曜22:00~22:57放送
原作:円城寺マキ『恋はつづくよどこまでも』(小学館 プチコミックフラワーコミックスα刊)
出演:上白石萌音、佐藤健、毎熊克哉、昴生(ミキ)、渡邊圭祐、瀧内公美、吉川愛、堀田真由、香里奈、平岩紙、片瀬那奈、蓮佛美沙子、山本耕史
脚本:金子ありさ
演出:田中健太、福田亮介、金子文紀
チーフプロデューサー:磯山晶
編成・プロデューサー:宮崎真佐子
プロデューサー:松本明子
製作:TBSスパークル、TBS
(c)TBS (c)円城寺マキ/小学館
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/koitsudu_tbs/
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公式Instagram:koi_tsudu