王道ラブコメで証明された、佐藤健の真の凄さ 手のひらで転がされていた『恋つづ』の3カ月

佐藤健、『恋つづ』で証明した真の凄さ

 佐藤健の人気が今、尋常じゃないことになっている。もちろん、これまでもそのイケメンぶりは広く知られていたが、さらに深く浸透してきた印象だ。なぜここまで多くの人の心を掴んでいるのか。佐藤健の魅力とは?

『恋つづ』で露呈した「デキる男」っぷり

 まず、今シーズンの火曜ドラマ『恋はつづくよどこまでも』(TBS系)で見せた、天堂浬というキャラクターがハマり役だったこと。仕事に対してストイックになるあまり、周囲に対してキツめの口調で接してしまう“魔王“とも呼ばれるドSドクター・天堂。自分から愛想を振りまくタイプではなく、仕事にエネルギーを注ぐために、プライベートは省エネモード。そんな天堂のスタンスは、佐藤健のパーソナルな部分と少しリンクして見えた。

 実際にインタビューをした際も、ヒロイン・七瀬(上白石萌音)に対して厳しい言葉を投げかけた話になると「カメラが止まったあと“辛いです“、”怒られてばっかりで悲しい“って言ってますね」と言いながら、フォローするわけではなく「いや、じっと見てるだけです。こういうのも悪くないなと思いながら、楽しませてもらっています(笑)」とSっ気をのぞかせていた。(参考:佐藤健が考える“自分を見失わない”仕事のやり方 「ベストな道が見つかるまで考える」

 佐藤健といえば、同じTBS系の火曜ドラマ枠で『義母と娘のブルース』(2018年7月期)の愛されおバカキャラ・麦田章を演じていた姿が記憶に新しい。どこか隙のある明るい性格の役どころがよく似合っていたが、今回の天堂浬として登場したときには目つきも、声のトーンも、まるっきり別人に。

 さらに、七瀬に対して全く見向きもしていなかったころの冷たい眼差しから、徐々に心を開く表情、愛が芽生えた瞬間の変化、プライドを隠しながらも嫉妬にモヤつく視線、大切な存在を失うかもしれないと恐れた眼差し、そしてあふれる涙……回を重ねるごとに、次々と新たな表情で視聴者を楽しませてくれた。『恋つづ』によって、改めて彼の持つ高い演技力、仕事のデキる男っぷりが露呈したように感じた。

アプリで見せた「彼氏味」の強さ

 『恋つづ』での名演技に輪をかけて、LINEやSUGARといったアプリを使って、視聴者を喜ばせたのも大きかった。スマホのLINE通知を見たら「佐藤健:起きてる?」「佐藤健:また明日。おやすみ」「佐藤健:家ですか?」なんて表示されるものだから、「ちょ、あなたは私の彼氏ですか!?」と狼狽える女性視聴者が続出。

 筆者の周囲にも「癒やし効果がすごい」「女性ホルモンが分泌される」「肌の調子がいい」「タダでこんなに潤うなんて絶対に登録すべき」と高まった女性陣が、次々と布教活動を開始。次第に恋人気分で「健」と呼び出し、「会話が成立した!」と喜んだり、「既読スルーしてやった」と謎のマウンティングを繰り広げたりと大忙しだ。

 この公式LINEは2016年からあるものだが、この『恋つづ』と相まってその魅力が一気に広まり、今や登録された友だち数は353万人超(3月13日現在)。これだけの乙女心をくすぐりながら、さらに「佐藤健:今日は21時半くらいにSUGARする 電話でてね」と、たたみかけてくるものだから、心穏やかではいられない。

 火曜日は、佐藤健から連絡が来る日。放送前にはSUGARタイム。そんな習慣がすっかり定着してしまった。そして、SUGARのライブ配信の通知がまた着信とそっくりなこと。そして、運良く選ばれれば、実際に会話ができるとあって、恋人気分は盛り上がるばかり。そこでは収録現場の裏話が語られることもあり、ますますオンエアが楽しみになる。画面の中で王子様のような役柄を演じている人と、さっき素で話していたというくすぐったさ。彼氏の仕事をうっとりと眺めるような気持ちになった視聴者も多かったことだろう。

 さらには、そこでも、時折「何でも言うと思うなよ! 頑張れ。もうちょっと俺が言おうかなっていう気になるように、頼めるようになることだな(笑)」とドSなところも出すのを忘れない。現実と非現実の間の心地よい時間に酔わせてくれる相当な策士だ。

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