藤ヶ谷太輔と奈緒の恋の行方はどうなるのか 『やめすこ』一貫して重要だった壱晴の“声”

『やめすこ』奪われた声=言葉

 ついに壱晴(藤ヶ谷太輔)と桜子(奈緒)の関係が……。『やめるときも、すこやかなるときも』(日本テレビ系)は3月23日に最終回を迎える。

 個展の最中、スピーチの途中で声が出なくなってしまった壱晴。一方、桜子は壱晴からの個展の知らせと共に入っていた手紙を読んで、急いで個展会場に向かう。そこで壱晴が桜子を想って作った椅子「sakurako」に腰掛け、ただ涙を流すのであった。しかし、個展会場には既に壱晴の姿はなかった。声が出なくなったことで、壱晴は1人になるために会場を後にしてしまったのだ。慌てて壱晴を探す桜子。その時、2人の運命は……。

 そばにいながらもすれ違い続けた2人の恋の行方はどうなるのか。壱晴がずっと抱えてきた真織(中井友望)への想いの清算、そして桜子が抱えてきた家庭問題の答えを解決するための糸口が見つかったとき、2人は大きく前進する。最終回の見どころは、まさにそんな2人の成長する姿だろう。桜子を想いながらも、なかなか真織を吹っ切れずにいた壱晴。一方で桜子も、実家に縛られ、父から暴力も受けており、思うようにいかない暮らしをしている。そんな2人がこの恋を通して、自分の人生を大きく切り拓いていく姿が描かれる。今まで伝えられなかった想いを必死に伝えようとする壱晴の姿に、思わず目頭がツンとなる。藤ヶ谷が全身全霊で叫ぶ想いと、「sakurako」を愛しそうに見つめる姿に、本作がどれだけ愛情深く真摯な作品であるかが伝わってきた。最終話では、壱晴との恋愛だけでなく、家族愛、友情、師弟愛など様々な愛が感じられる。壱晴がどれだけ多くの人に支えられてきたか、そして桜子を救う存在であったかにも注目してほしい。

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