岡田結実、恒松祐里、中村ゆりからの高い完成度 若手女優たちが光る『女子高生の無駄づかい』
そして、漫画、アニメ、そして実写とバトンが繋がれてきた本作であるが、実写化されたキャスト陣の完成度が高い。
「バカ」を演じる岡田結実は、ご存知の方も多い、ますだおかだ「岡田圭右」の長女。
それもあってか芸能界に入った頃はバラエティでの活躍が目覚しかったが、ちょうど1年前に放送された『私のおじさん~WATAOJI~』(テレビ朝日系)にて連ドラ初主演に抜擢され、それに続いて本作でも主演に抜擢されている。コミカルな演技が「バカ」そのもので、今後はコメディエンヌ女優としての姿も楽しみになった。
また、「ヲタ」を演じる恒松祐里は着実に女優としてのキャリアを積み、昨年には重要な役どころで『凪待ち』『アイネクライネナハトムジーク』『殺さない彼と死なない彼女』などに出演、より一層花開いてきた若手女優であると言えよう。「ヲタ」は「バカ」の行動に対してツッコミを入れていく立ち位置として、二人の掛け合いによる笑いを生み出しており、それがとてつもなくハマっている。
「ロボ」を演じる中村ゆりかは、近年女優として静かに存在感を出してきており、特にドラマでの活躍が目覚ましい。『賭ケグルイ』(MBS/TBS)から始まり、女優としての力を見せつけたのが『左ききのエレン』(MBS/TBS)である。周りの天才に囲まれる中で凡人として生きることを選び、自らの感情を隠し、徹底的にエレンのマネージャーとして奮闘する加藤さゆりを見事に演じ切った。今回も感情が表に出ない「ロボ」を演じているが、その人となりはまるで違い、クールビューティー役へのハマり具合が絶妙だ。
それ以外にもNHKの朝ドラ『なつぞら』の福地桃子、アイドルやグラビアとして活躍し徐々に女優業も増えてきている浅川梨奈、欅坂46として活躍している小林由依、そして本作が実質ドラマデビューとなる畑芽育と井本彩花はいずれも、今後が楽しみな女優ばかりである。
■岡田拓朗
関西大学卒。大手・ベンチャーの人材系企業を経てフリーランスとして独立。SNSを中心に映画・ドラマのレビューを執筆。エンタメ系ライターとしても活動中。Twitter/Instagram。
■放送情報
金曜ナイトドラマ『女子高生の無駄づかい』
テレビ朝日系にて、毎週金曜23:15〜0:15(一部地域で放送時間が異なる)
出演:岡田結実、恒松祐里、中村ゆりか、福地桃子、浅川梨奈、畑芽育、井本彩花、横山涼、内藤理沙、町田啓太、大倉孝二
原作:ビーノ『女子高生の無駄づかい』(角川コミックス・エース刊)
脚本:田辺茂範(劇団 ロリータ男爵)、矢島弘一(劇団 東京マハロ)、角田貴志(劇団 ヨーロッパ企画)、山田由梨(劇団 贅沢貧乏)、安藤奎(劇団 アンパサンド)、玉田真也(劇団 玉田企画)
監督:山本大輔、日暮謙、中島良、洞功二ほか
ゼネラルプロデューサー:三輪祐見子(テレビ朝日)
プロデューサー:貴島彩理(テレビ朝日)、本郷達也(MMJ)、布施等(MMJ)
制作:テレビ朝日、MMJ
(c)テレビ朝日