『ジュディ 虹の彼方に』レネー・ゼルウィガーが語るハリウッドの変化 「すべての面で変わっている」
「ハリウッドはすべての面で変わっている」
ーージュディ・ガーランドには輝かしいキャリアがありますが、また同時に薬物問題を抱えていたり、自殺までしようとしたりしました。彼女はハリウッドが嫌いだったという話もありますが、彼女の人生とハリウッドには深い関係がありました。ここ数年、ハリウッドも徐々に変わりつつありますが、ハリウッドの現状をどのように捉えていますか?
ゼルウィガー:そうね、ハリウッドはすべての面で変わっている。ただ、ジュディとハリウッドとの関係性を、いまエンターテインメント業界で働いている女性と比べるのは難しい。なぜなら、当時と現在は法律が違うから。少なくとも子供の労働に関して、彼らはもっと責任を持ってその法律を強制していて、もはやそれほど前時代的なシステムではなく、もっと透明性がある。だから、彼女が経験した虐待が、今日、見逃されることは少し難しい。パワーの不均衡に、強い憧れが合わさったものが、時々作用しないと言っているわけじゃないの。なぜなら、そういうことがないと言うのはナイーブだから。でも少なくとも、人々は今そのことについて話している。もちろん、そういう変化は良いことだと思う。そして、私たちはただそれをもっと押し広げていくんだと思う。間違いなくね。
ーーあなた自身、具体的に何か感じることはありますか?
ゼルウィガー:この業界で働いている、私が知っている男性たちは、見かけについてもっと慎重になったわね。ただ、不適切な行動だと誤解されるようなことがないようにとても気をつけている。それは正しい方向へと向かう第一歩ね。彼らがちゃんと振る舞えば、これからやって来るもっと若い男性たちの基準になり、模範となる実例がどういうことかがわかるから。これはわずかな変化だけど、素晴らしい始まりだと思うわ。少しだけね(笑)。
ーー2016年に『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』で復帰するまで、女優業を6年間休業していましたが、休む前と後で、女優として何か意識の変化や演技面での変化はありましたか?
ゼルウィガー:私自身、“休業する必要があった”という違う見方をしているの。私は、個人的な経験から演技を引き出すクリエイティブな人として、この職業をやり始めた。でも、パーソナルな経験が、すべてプロフェッショナルな経験だとすると、引き出せるものがたくさんはないということになる。人々と真実のやりとりができない時はね。なぜなら、彼らは、あなたのことを見ていないし、あなたの言うことを聞いていなくて、あなたがどういう人かというアイデアだけを見ているから。それはたぶん、あなたの人間性の真実とはまったく関係がないもの。そうすると、物事を学ぶのがとても難しくなってしまう。成長したり、チャレンジしたり、共感したりするのが難しくなる。誰かについてのストーリーを語る時、その人の経験と同じような経験をしていなくて、どのようにそのストーリーを語れるの? それに、どんな人とも同じように、年を取った時、より良い洞察を持つことができる。私たちの人生経験には、もっと豊かさがあると思うわ。
■公開情報
『ジュディ 虹の彼方に』
全国公開中
出演:レネー・ゼルウィガー、フィン・ウィットロック、ルーファス・シーウェル、ジェシー・バックリー、マイケル・ガンボンほか
原作:『End Of The Rainbow』
監督:ルパート・グールド
脚本:トム・エッジ、ピーター・キルター
配給:ギャガ
(c)Pathe Productions Limited and British Broadcasting Corporation 2019
公式サイト:https://gaga.ne.jp/judy/