2020年4月期ドラマ、なぜ続編モノが多い? 『半沢直樹』『ハケンの品格』に膨らむ期待

4月期ドラマ、なぜ続編モノばかりに?

 そんな中、異彩を放っている春クールドラマが、TBS系金曜ドラマで放送される『MIU404』だ。

 本作は綾野剛と星野源が主演の刑事ドラマで、警察内部で「何でも屋」と揶揄される機動捜査隊が24時間というタイムリミットの中で解決するバディもの。

『MIU404』(c)TBS

 設定だけ見ると『相棒』の亜流のように見える安易な企画だが、野木亜紀子(脚本)、塚原あゆ子(チーフ演出)、新井順子(プロデューサー)の3人が手掛けるのだから一筋縄ではいかない作品となるだろう。この3人が2018年に手掛けた『アンナチュラル』(TBS系)も設定だけ取り出せば『CSI:科学捜査班』シリーズや『科捜研の女』のような科学捜査モノで新味はなかったが、社会派テイストのエンターテインメント作品に仕上がっていたので、『MIU404』も、今までにない刑事ドラマになるのではないかと期待している。 

 最後に新型コロナウィルスの影響についても触れておきたい。

 現在、コンサートや演劇といったライブイベントが続々と中止になっている。騒動が長引けば、多くのスタッフが関わるドラマの撮影にも、影響を及ぼすのではないかと懸念している。

 同時に思うのは、この騒動が日本人の仕事や病気に対する考え方を、根本から大きく変えてしまうのではないかということだ。

 刻一刻と変化する日本政府や医療機関の対応、多くの企業が通勤を控えて、在宅でのテレワークへと就労形態を切り替え、学校が一斉に休校となっている状況を見ていると、3.11に匹敵する日本社会への影響が生まれつつあるように感じる。

 こういった変化は、刑事ドラマや医療ドラマにも大きな影響を与えるのではないかと思う。慎重に経緯を見守りたい。

■成馬零一
76年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。

■放送情報
『ハケンの品格』
日本テレビ系にて、4月15日(水)スタート 毎週水曜22:00~23:00放送
出演:篠原涼子、小泉孝太郎、杉野遥亮、吉谷彩子、山本舞香、中村海人(Travis Japan)、塚地武雅(ドランクドラゴン)、伊東四朗
脚本:中園ミホほか
演出:佐藤東弥、丸谷俊平
プロデューサー:櫨山裕子、山口雅俊、秋元孝之
チーフプロデューサー:西憲彦
制作協力:オフィスクレッシェンド
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ

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