エキストラ主役のドラマ『エ・キ・ス・ト・ラ!!!』が面白い! 一人ひとりに光を当てる社会の縮図

エキストラ主役のドラマ『エ・キ・ス・ト・ラ!!!』が面白い! 一人ひとりに光を当てる社会の縮図

 次々と世に放たれる映画やドラマには、その作品の顔となる俳優や、監督をはじめとするスタッフのほか、陰ながら作品を支える“エキストラ”という存在がある。ひょっとすると参加経験が、あるいは参加してみようと考えたことがある方も少なくないのではないだろうか。特に東京都心部なんかを歩いていると、ふいに撮影現場に出くわし、そういった人々を見かけることも多々ある。そんな、“エキストラを主役に据えたドラマ”『エ・キ・ス・ト・ラ!!!』(カンテレ)が放送中なのだが、これが実に面白いのだ。

 この作品は1話完結型となっていて、舞台は、ドラマ『猟奇的な君を宇宙の果てまで追いかける』という奇天烈なラブストーリーの撮影現場。このドラマの主演俳優・高城蓮(吉村界人)や、助監督・矢部夏樹(水上京香)らが奮闘する現場へと、毎回なにかと問題のあるエキストラがやってくるのだ。これまでに、間宮祥太朗、橋本マナミ、松尾諭、江上敬子、筧美和子、笠松将といった俳優陣が、各回の“主役のエキストラ役”として登場。誰もがアクの強い、異なるタイプのエキストラに扮し、どうにも憎めない、愛すべきキャラクターたちを生み出してきた。

 間宮が演じた俳優志望のエキストラは、妙なこだわりや、行き過ぎたプロ意識を持ち、そのうえ本番になると悪目立ちをしてしまう始末。橋本が演じた仕切り屋のエキストラは、撮影がより良く進むようにとリーダーシップを発揮するが、これまた行き過ぎた行為が仇となって、墓穴を掘ることになる。また、筧が演じた勘違いエキストラは、本来は芸能活動をしている存在なもののエキストラ仕事しかなく、なんとかセリフのある役をもらおうとプロデューサーに取り入ろうとする姿が痛々しい。そして、笠松演じる高学歴御曹司エキストラは、現場をあくせく駆け回る人々を冷ややかな態度で見つめている。

 ドラマの撮影現場というと特別な場所にも思えるが、彼らの姿を見ていると、どこか既視感をおぼえる。つまり、“あるある”なのだ。これは舞台となるのがたまたま撮影現場なだけであって、学校でも職場でも、どこにでもこういった人々の存在は確認できる。それは何も否定的な意味ではない。十人十色。誰もがそれぞれの考えを持って生きているはずで、それが、協調性を求められる創作の現場だからこそ、そして、エキストラという一般的に“陽の当たらない存在”にフォーカスするからこそ、その個性がより際立っているのだ。彼らは一見してやっかいな存在ではあるけれども、誰か一人が欠けてしまうと作品は成り立たなくなる。代わりはいくらでもいるという酷な事実はあるものの、一度作品に関わってしまった(画面に映ってしまった)以上、そう簡単にその“役(割)”を降りることはできやしない。それはこの社会にコネクトする、私たち一人ひとりと同じことでもあるように思える。

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