山田杏奈が担う、『10の秘密』の物語の深み 瞳の「謎」を膨らませる妖しさとあどけなさ

山田杏奈が担う、『10の秘密』の物語の深み 瞳の「謎」を膨らませる妖しさとあどけなさ

 「私は、人殺し」

 向井理主演の『10の秘密』(カンテレ・フジテレビ系)は、登場人物たちが抱える「秘密」が複雑に交錯するサスペンスミステリー。仲間由紀恵、仲里依紗、松村北斗、渡部篤郎、佐野史郎、名取裕子といった実力派、ニューフェイス、大ベテランたちが揃いも揃って「秘密」を抱えて怪しげに振る舞うため、ストーリーは二転三転しているのだが、一連の事件の発端となるのが向井演じる主人公のシングルファーザー、白河圭太の14歳の娘・瞳の誘拐である。

 そして、曲者揃いの出演者たちに囲まれて存在感を発揮しているのが、瞳を演じる山田杏奈である。この役に山田杏奈をキャスティングしたことで、『10の秘密』の謎の深みは一段と増したと言っていいのではないだろうか。

 瞳は何者かに誘拐された後、圭太のもとに帰ってくる。しかし、彼女にはいくつもの「秘密」があった。父親に秘密で部活や塾を辞めてしまっていたこと。ジャズバーでピアノをプレイする伊達翼(松村北斗)という青年と交流していたこと。そして、別れた母親・由貴子(仲間由紀恵)と連絡を取っていたこと。

 さらに彼女が抱えるトラウマとも言える最も大きな「秘密」。それは彼女が幼い頃、過失による放火で人を殺めていたこと。父親の圭太はそのことを隠し通そうとしたがかなわず、瞳は自分の過去を思い出して絶望する。冒頭のセリフはそのときのものである。

 瞳が単なるかよわい被害者であるはずがない――彼女にはそう思わせる何かがある。華奢なのに、意思の強そうな目。真っ白な肌。太めの眉。そして印象的な唇。純真で父親思いの少女であるのは間違いないのだけれど、同時に思慮深く何かをたくらんでいるように見えてしまう。視聴者に思わず必要以上に深読みさせてしまうような、あどけなさと妖しさを併せ持っているのが山田杏奈である。

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