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『わたし、定時で帰ります。』インタビュー

向井理が語る、役者という職業への向き合い方 「“普通”を作るのが、一番難しい」

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 いよいよ4月16日からスタートする火曜ドラマ『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)。「働き方改革」「ワークライフバランス」という言葉が叫ばれる一方、まだまだ試行錯誤中という企業も少なくない。そんな現在進行系で進む“職場の課題”に正面から向き合った本作に、注目が集まる。

 主演の吉高由里子が演じるのは、過去のあるトラウマをきっかけに「必ず定時で帰る」というモットーを貫くWebディレクターの東山結衣。そして、結衣の勤務先であるWeb制作会社「ネットヒーローズ制作4部」には、悪気なくブラック発言をしてしまう部長・福永清次(ユースケ・サンタマリア)、どんなに体調が悪くても出社する皆勤賞女・三谷佳菜子(シシド・カフカ)、産休から早々に復帰したいと希望するスーパーワーキングマザー・賤ヶ岳八重(内田有紀)、会社に住みつく男・吾妻徹(柄本時生)、やめたがりの新人・来栖(泉澤祐希)と、個性豊かな面々が集う。

 さらに結衣の元婚約者でワーカホリックな種田晃太郎(向井理)が、仕事上の同僚となったことで結衣を取り巻く状況はより複雑に。そして、結衣の現恋人・諏訪巧(中丸雄一)が、仕事よりもプライベートを重んじていることから、それぞれの想いが錯綜していく。

 今回、ドラマのキーとなる種田晃太郎役の向井理に、インタビューを行った。これまで様々な作品に出演してきた向井が、本作で感じている難しさとは。さらに、向井自身が俳優として貫くモットーも見えてきた。【※インタビュー最後にチェキプレゼント情報あり】

「わかりやすい善と悪ってことではない、時代を象徴したドラマ」

――台本に目を通したとき「生々しいドラマ」と感じられたそうですが、実際に撮影が始まり、晃太郎を演じてみていかがですか?

向井理(以下、向井):そうですね。原作者の朱野帰子さんも会社員経験がある方なので、台本を読んだときに「これがリアルなのかな」と、生々しく感じました。単純に「定時で帰る女VSブラック上司」みたいな、わかりやすい善と悪の話ではないので、そこがもどかしいところかもしれません。みんな、それぞれが仕事に対して熱意があって、自分なりの考え方があって、それがぶつかって齟齬が生まれていくドラマなので。でも、結局人間って1人じゃ生きていけないと思いますし、そうしたいろんな価値観や信念を持った人たちと、どうやって共存していくか、どれが一番働きやすいのかを模索しながら、成長していく話だと思うんです。それって本当に今を投影しているというか、時代を象徴したドラマだな、と。

――確かに、本作では様々なタイプのキャラクターが登場しますね。向井さん自身が共感するのは、どなたでしょうか?

向井:んー(笑)。僕はサラリーマン経験がないですし、それこそ定時なんてない仕事なので、当てはめるのは難しいんですが、働き方のモチベーションとして見ていくと、僕は割と晃太郎タイプなのかなって思いますね。仕事が好きで、のめり込む感じとか、自分がハードワークした先に、いい商品・いい作品が見えるなら、そこは苦にならないという意味で、すごく共感できます。それと晃太郎は、人に押し付けないところがいいですよね。自分は自分の仕事、自分の仕事が終わったら、滞っている仕事……って淡々と取り組んでいく。「あれやれ、これやれ」って周りを振り回すところがないので。まぁ、でも逆にガツガツとマイペースで仕事する姿勢そのものが、周りにプレッシャーをかけてしまうデメリットもありますが。だから、1話ではセリフもなく、何を考えてるのかわからないようにしています。“この人は味方なのか、敵なのか”って、明確にわからないほうがいいと思うので。

「見てくれている人に届かないと、意味がない」


――向井さんは、基本的に「仕事を選ばない」と、過去のインタビューでお話されているのを拝見しました。

向井:仕事を選ばないというより、オーディションでも、オファーでも、選ばれないと仕事がない業界ですし、選ばれても、やっぱり見てくれている人がいないと成り立たない仕事なので。それは、本当に3.11(東日本大震災)のときに痛感しましたね。テレビも一斉に自粛モードになったじゃないですか。僕は大阪で舞台をやっていたんですけど、当然ほとんどのお客様が来られなくなって。エンターテインメントってすごく危うい所で成り立っているんだなって、改めて感じました。「こういうのがやりたい」ばっかりじゃダメですし、かといって流されてるだけでもダメで、そのバランスはすごく難しいと思いますね。今は「選ぶ、選ばない」ではなくて、与えられた仕事を「どうしたら一番いいものになるか」と、常に考えてます。

――先ほど、リハーサルで八重が晃太郎のことをどんなふうに認識しているのかを、金子文紀監督と話し合っていましたね。

向井:はい。台本って、本当に1日の数時間しか切り抜いていないですからね。僕が演じる晃太郎は37歳の設定で、37年間のバックボーンがあって、ここに至るので。ただ、ドラマは、初めて見る人を前提にして作るべきだっていうのが、僕の中にはあって。台本を読み込んだ作り手同士が「多分ふたりはこうだから、こういう感じなはず」みたいな裏設定で盛り上がっちゃうと結局、視聴者のみなさんに全然伝わらない、みたいなことになっちゃうんですよ。だから、そこは気をつけないといけないところだと思うんです。自己満足ではなく、見てくれている人に届かないと意味がないわけですから。

――なるほど。向井さんにとって、仕事のやりがいを感じる瞬間というのは?

向井:作品によって違いますけれど、やっぱりお客様に届いたときですね。舞台だったら、わかりやすくお客様が目の前にいて反応があるので、手応えというか、「やってよかった」と、公演ごとに思いますし、映画だったら舞台挨拶があるので、そういうときに感じます。ドラマだと初回のオンエアのときですね。僕は事前に完成したVTRは見ないで、できる限りリアルタイムで、家のテレビで見るようにしているんです。

――そうなんですか! これを読んだ視聴者の方々は、初回オンエアで「向井さんも今、見てるんだ」と思えて楽しいですね。

向井:映画に出たときも、こっそり映画館に行って、どんな感じかなって周りのお客様の様子を見ますね。もちろん、怖さもありますけど、お客様と同じ視点で観たいっていうスタンスが、ずっとありますね。

      

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