中井貴一×佐々木蔵之介が語る、“オリジナルの喜劇”である『嘘八百』シリーズの価値

中井貴一×佐々木蔵之介が語る、“オリジナルの喜劇”である『嘘八百』シリーズの価値

 『嘘八百 京町ロワイヤル』が、1月31日より公開中だ。本作は、古物商の則夫を演じる中井貴一と陶芸家の佐輔を演じる佐々木蔵之介のW主演で送るお宝コメディ『嘘八百』シリーズ第2弾。監督は前作に続き『百円の恋』の武正晴、脚本は今井雅子と足立紳のコンビが務める。前作でも舞台となった大阪・堺に加え、数知れぬお宝が眠る古都・京都もまたにかけた、抱腹絶倒の騙し合いが繰り広げられる。

 W主演を務めた中井と佐々木に、『嘘八百』シリーズならではの現場、広末涼子、山田裕貴ら新キャストについて、オリジナル脚本で挑む本作への意気込みまで語ってもらった。

佐々木「自然と体が“『嘘八百』の体”に」

ーーお二人は前作撮影時、続編をやると思っていましたか?

中井貴一(以下、中井):全く思っていなかったです。続編の「ぞ」の字もなかった(笑)。前作は、16日という撮影期間で寒い中の撮影を必死にやっていたので、続編を考える余裕もありませんでした。日々生きていることが精一杯なくらい(笑)。「続編を作ります」と聞いた時は、驚きました。

佐々木蔵之介(以下、佐々木):僕も続編なんて考えてもいなかったです。前作の時は、なんとか撮り切れればとしか思っていなかった。撮影の時に点滴を打ちに行っていたくらいですからね(笑)。たくさんの人に観ていただいたことで、こうして続編を作れるなんてありがたいことです。こんなに嬉しいことはない。

ーー資料では、前作に比べると若干撮影にも余裕があったとのことですが……。

中井:4日だけ伸びました(笑)。ただ今回も全く変わらずきつかったです。朝3時、4時に起きて準備をし、日が暮れるまで撮影。その繰り返しの日々でした(笑)。

佐々木:ホテルの朝食の時間前に出発ですからね(笑)。でも、タイトにまとめて撮影するというのが、この映画の良さかなとも思います。もはや自然と体が“『嘘八百』の体”になりますね。

中井:より緊張感が増すよね。

ーーそんな過酷な現場の中に、広末涼子さん、山田裕貴さんらが新しく加わりました。新キャストとはどのようなやり取りを?

中井:確実に、前作よりパワーアップしているんです。それはやっぱり、広末さん、山田くんたちが加わり恋の要素や先輩・後輩といった人間関係を足してくれたからで。広末さんは、役柄としてもしかしたらやりにくかったかなと振り返ってみると思いますね。僕と蔵之介くんのバディが出来上がっている中に入っていくのは、役者としてはやりにくいはずなので。そのやりにくさを感じさせないようにしようと思ってはいたのですが、撮影が始まってしまうと僕らも気を配る余裕がないくらい、必死にならないといけない(笑)。でも、そんな心配をよそに堂々と現場に立っていらっしゃいました。

佐々木:広末さんも“『嘘八百』の体”になったのかな(笑)。『嘘八百』の現場では、否が応でも順応しないといけないんです。貴一さんも、クランクインしてから現場に慣れる前の2日目くらいに、膨大な長ゼリフがありましたね。広末さんも茶道の練習をしないといけなかったり、山田くんも初めて関西弁を言わないといけないし、作陶もできないといけない。みんな、手枷足枷がある中でなんとか終わらせる必要がありますから。

ーー『嘘八百』は、お二人にとって少し特別な作品なのではとお話を聞いていて思います。

中井:『嘘八百』は「コメディ」というより、「喜劇」だと思うんですよね。コメディというと少し洒落ているけれど、喜劇というとどこか日本人の琴線に触れる独特の響きを感じるんです。『男はつらいよ』が代表するような人情喜劇。リメイクだったり、漫画やアニメの映画化が常になっている中で、『嘘八百』がオリジナルの喜劇であるということは、すごく大きな価値があると思っています。気楽に観られる作品ほど作ることが難しいものはないですから。

佐々木:同感です。言ってしまえば、『嘘八百』に流行のものはないんです。でも、僕ら日本人にとっての懐かしさや安心感がある。それは千利休や古田織部が出てきたり、京都で撮影したりといったことが影響しているのかもしれません。なかなかない映画だと思いますよ。ただおちゃらけて笑わせようとするのではなくて、役者の方々がきっちり「喜劇」というものに向き合って作っている。

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