福士蒼汰の運命の切なさを駆り立てる 『4分間のマリーゴールド』が描くリアルな人間模様

『4分間のマリーゴールド』初回放送に寄せて

桐谷・菜々緒・福士・横浜の4兄弟が育む“家族感”に注目


 2人とひとつ屋根の下で暮らす兄弟を演じるのは、桐谷健太と横浜流星。番宣などでも仲睦まじい姿を披露してきた4人だが、もちろん劇中でも息の合った掛け合いは健在。厳しくも少年のような心を持つ長男(桐谷)、心優しい兄弟想いの長女(菜々緒)、穏やかで正義感が強い次男(福士)、クールでちょっぴり陰のある三男(横浜)という絶妙なバランスに、ドラマ開始早々、惹き込まれる。

 横浜は、本作で“料理男子”に初挑戦。料理に疎く、「豆腐も切れなかった」という横浜が、エプロン姿で臨むキッチンシーンは必見。一方で、喜怒哀楽を表に出さない大人っぽさがありながら、兄姉からの愛をたっぷりと受ける末っ子の愛らしさが滲む、繊細な演技も見どころだ。

 また格闘技好きの家長役にドンピシャリとハマる桐谷が、4兄弟の雰囲気作りにおいて大きな役割を担っていることは間違いない。様々な初挑戦が多い他キャストを桐谷がリードすることで生まれる抜群の“家族感”は、さすがの一言。

 ずっと仲良くいてほしいと願わずにはいられない素敵な4兄弟なのだが、舞台挨拶で桐谷は「今は4人で和気藹々とやっているけど、ひとつの関係性が変わるだけで兄弟も変わっていく」とコメント。禁断の恋の幕開けによって変化する、家族関係からも目が離せない。

“禁断の愛”と“1年後の死”、2つの運命の行方は?


 主人公が特殊能力を持つという点から、ファンタジー要素が強いといえる本作。だが、そこにある人間模様はとてつもなくリアルで、“禁断の愛”と“沙羅の死”という2つの運命の切なさを駆り立てる。

 救急シーンの緊迫感をはじめ、人の温かさ、やりきれなさが複雑に絡み合う『4分間のマリーゴールド』。第1話鑑賞後には、たくさんの感情がうごめく不思議な感覚を吐き出すように、目には涙が溢れていた。

 果たしてみことは、運命を変えることができるのか。物語の行方を追いつつ、家族・愛・生死という普遍的なテーマについて改めて考えていくこともまた、本作の意義のひとつとなりそうだ。

■nakamura omame
ライター。制作会社、WEBサイト編集部、専業主婦を経てフリーライターに。小学生男児2人の母。ママ向け&エンタメサイトを中心に執筆中。Twitter

■放送情報
金曜ドラマ『4分間のマリーゴールド』
TBS系にて、10月スタート 毎週金曜22:00~22:54
原作:キリエ『4分間のマリーゴールド』(小学館ビッグスピリッツコミックス刊)
出演:福士蒼汰、菜々緒、桐谷健太、横浜流星
脚本:櫻井剛
演出: 河野圭太
プロデューサー:橋本芙美
製作: 共同テレビ、TBS
(c)TBS (c)キリエ/小学館
公式サイト:https://www.tbs.co.jp/4mari/
公式Twitter:@4mari_tbs
公式Instagram:@4mari_tbs

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