『これは経費で落ちません!』に見る、マイナー部署モノの面白さ 非正規雇用の存在も重要な軸に

『これは経費で落ちません!』に見る、マイナー部署モノの面白さ 非正規雇用の存在も重要な軸に

 NHKのドラマ10(金曜夜10時)で放送されている『これは経費で落ちません!』(以下、『これ経』)が最終回を迎える。

 古くは森繁久彌の社長シリーズや、植木等の無責任シリーズ、近年では町工場を舞台にした『下町ロケット』(TBS系)やWEB制作会社を舞台にした『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)など、会社を舞台にした作品には戦後仕事史とでも言うような歴史がある。

 その中で『これ経』が画期的だったのは、今まで描かれることが少なかった経理課を舞台にしたことだろう。

 主人公の森若沙名子(多部未華子)は、石鹸会社・天天コーポレーションの経理課に所属する女性社員。業務が的確で、不明瞭な経費の処理に関しては「経費で落ちません」と毅然とした態度で突っぱねる姿は、社内で一目置かれている。

 また、経理上の疑問や社員の不穏な動きで、気になることがあると「ウサギは追うな」と自分に言い聞かせながらも、足を踏み入れてしまう。さながらお金の流れを追うことが専門の社内探偵とでも言うような存在で、小さなお金の流れから実は社内で起きている大問題を森若が解決するというミステリーとしての面白さには毎回唸らされる。

 同時に本作が面白いのは、森若の目を通して天天コーポレーションという会社の全貌が見えることだ。

 まず社内の花形が森若の彼氏・山田太陽(重岡大毅)のいる営業部。接待や出張が多く、不明瞭な領収書の多くは、営業から出てくるのだが、会社を舞台にしたドラマで描かれる仕事の多くは営業である。

 営業と同じくらい舞台として多いのが総務部。筆者のようなサラリーマン経験のない人間にとっては一番何をしているのかがわからない部署だが、他部署がおこなわない社内業務全般をおこなう部署。第4話ではコーヒーサーバーの導入をめぐって総務部の女子社員同士で対立が起きていたが、いわゆる会社モノに登場する女性社員の多くは総務部所属だ。

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