『ルパンの娘』大貫勇輔、歌と踊りで異彩を放つ ダンスで培った“空気を変える”技術とは
俳優たちが“真面目”に個性的なキャラクターを演じ、笑いのネタがオンパレードのコメディ作品でありながら、ロミジュリ展開の恋愛パートでは涙さえ誘ってくる『ルパンの娘』(フジテレビ系)。深田恭子と瀬戸康史を筆頭に、愉快なメンバーが大勢いる中でも、歌や踊りで異彩を放っているのが円城寺を演じる大貫勇輔である。
はじめこそ深田演じるヒロイン・華の幼馴染として、華のことをいつも気にかけ、和馬との恋を応援してきた円城寺。今では、和馬との逆らえない運命に心を痛めている華を支え、一番近くにいる存在である。
『ルパンの娘』放送中に毎回ネット上で話題になるのが、ミュージカルパート。そしてこのシーンの柱を担っているの円城寺を演じる大貫のパフォーマンスだ。大貫は17歳よりプロダンサーとして数々の作品に出演、多岐に渡るジャンルのダンスを踊りこなし、世界で高く評価されている。かねてから大貫の舞台を観劇し、インタビューなどでもその姿を追い続けてきた演劇・ドラマライターの上村由紀子氏に、大貫のダンサーとして評価について聞いた。
「お母さまがダンスの先生で、ご本人も幼い頃からダンスに触れていたそうです。海外でも著名な演出家のマシュー・ボーンに見出されてからは重要な役で踊る機会も増え、ダンサーとしても高い評価を得ています。彼は、決まった振りを踊るのではなく、心の中から湧き出る感情で踊るコンテンポラリーダンスも得意としています。2011〜12年くらいから国内の大型舞台、ミュージカルにも多数出演するようになったのですが、彼にとっての最初の大型ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』ではセリフが一切ない“死”という役で、他の登場人物の誰ともセリフで絡まずに死を抽象的にダンスで表現する姿が衝撃的でした」