横浜流星は住人にとっての“最後の希望”である 『あなたの番です』謎解きを掻き立てる存在感

横浜流星は『あな番』住人の“最後の希望”

 隠された謎、大量の伏線で視聴者を翻弄する『あなたの番です -反撃編-』(日本テレビ系、以下『あな番』)。2クール連続で同一作品を放送する異例のドラマとして注目を集めたが、本作が話題になっているのはそれだけではない。2クールに渡って焦らされ続ける事件の真相について、視聴者が謎解きをしたくなる仕掛けがたくさん用意されており、ドラマを見ているYouTuberやブロガーが考察動画や記事をポストしているのだ。それゆえ本作は、ドラマはもちろん、放送後に特定の人の考察を読むのが楽しいなど、新しい広がり方をしている。そんな『あな番』で2クール目から登場した大注目の人物といえば横浜流星演じる二階堂忍だろう。

 『初めて恋をした日に読む話』(TBS系)でピンク頭の高校生を演じ、どんな役もカッコよく爽やかに演じる俳優としてブレイク。映画、ドラマはもちろん、写真集やCM、Instagramでのプロモーションなど至るところで活躍している。そんな横浜が今回演じるのは、翔太(田中圭)たちの住むマンションに引っ越してきたAIを研究する大学院生の役で、AIを駆使して翔太の捜査に協力している。今までかっこいいヒーロー像を演じることの多かった横浜だが、今回は他人の手料理が嫌い、他人の匂いが嫌いなどと神経質な言動が目立つちょっと変わった役柄である。横浜の得意の空手を使ったアクションシーンや、黒島(西野七瀬)の頭を突然クンクン嗅いだり、黒島をおんぶしたりなど、胸キュンシーンも盛り込まれ、横浜自身の個性も活かした役と言えるだろう。

 横浜自身、美男子なだけではなく実は非常に器用な役者である。本作のようアクションがあれば得意の空手を披露し、映画では役作りで減量もした。さらにCDデビューをした経験もあり、音楽方面でも活躍している。役者にとって“できること”が多いのは強みになるだろう。それだけ幅広い役に挑戦できるし、ただ演じるだけではなく説得力が出るのだ。横浜にはそんな武器がいくつもあり、本作でもその武器をふんだんに使って存在感をものにしている。二階堂は決して目立って明るい役ではないが、翔太や黒島と関わる中で徐々に心を開いていき、今では翔太のバディとして立派に役目を果たしている。菜奈(原田知世)と入れ替わりという形で登場した二階堂は、最期に菜奈から翔太への送り込まれた希望なのかもしれない。

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