『あなたの番です』Pが語る大反響の裏側とドラマ作りの極意 「コアなファンを裏切らないように」

『あなたの番です』Pが語る大反響の裏側

 日曜ドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)の快進撃が続いている。

 日本テレビ25年ぶりの2クール連続ドラマとして、「毎週、死にます」というキャッチコピーとともに4月に放送スタートした本作。第1話から、マンションの管理人に扮する竹中直人が宙吊りから転落死するなど、衝撃的な死の光景が続いた。第1章の後半からは視聴率も上々で、「特別編」を挟み、そのまま第2章「反撃編」に突入。原案は、同局の『愛してたって、秘密はある。』(2017年)も手がけた秋元康。同作でもプロデューサーを務めた日本テレビの鈴間広枝氏に、現在の反響ぶりを聞いた。

「作品のテイスト上、どうしても途中から参入するのが難しいと思うのですが、考察など盛り上がっていただけてありがたいです。地上波の連ドラはいろいろな制約があるので、どうしても“想像の範囲内”の展開になってしまいがちですが、今回ストーリーの途中で主人公が死んでしまったりと、視聴者の方々の想像を裏切ったからこそ、ザワザワと広がってくれたのかなと。TVerなどでも全話配信をしましたが、わかる人だけわかればいいというのではなく、『話題になってるし、見てみようかな』と思ってくださった方にも途中参戦してもらえるような施策はやっていきたいと最初から話していました」

 その言葉通り、ポスターのとある重要人物を「日テレ」のロゴに隠し、絶妙なタイミングで完成版を公開したり、ヒント動画、田中圭演じる手塚翔太の主題歌「会いたいよ」など、連続的にサプライズを仕掛け、話題をさらっていった。

「2クール連続放送、そして途中から参入しづらいミステリーものということで、ハードルはかなり高かったです。だからこそ、1クール目の最後は、主人公である菜奈(原田知世)が死ぬという大きな事件にしました。秋元先生は、“ラストの引っ張り研究家”なんです。『着信アリ』などのホラー作品もやっているので、一番ビックリする方法をすごくわかってらっしゃって、『あそこにいる思ったら、実はここにいた』とか、『こう回り込んだら死体があったら怖い』とか。そういう魅せ方も細かいアイデアをたくさんいただいています。

 作品の宣伝においては、2クールなのでとにかく話題になり続けることを意識しました。外側から見ても、「『あなたの番です』っていうドラマがいろいろやってるらしいぞ」と感じてもらえるように。やっぱり期間が長いので、1クール終わった時点で全然話題になっていなかったら、残りのクールがつらくなる。人が死にますし、グロテスクな描写もあるので、見る人を選ぶ、『みんなが大好き』という作品ではないということはわかっていたので、『こういうふうに見てほしいんです』ということも込めた、ちょっと笑えるテイストの動画なども力を入れて作りました。でもまずは、今見てくれているコアなファンを裏切らないようにしようと」

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