『トイ・ストーリー4』ジョシュ・クーリー監督が語る、ピクサーに宿るジョン・ラセターの精神

『トイ・ストーリー4』監督が語る

「ジョン・ラセターたちのスピリットはまだピクサーにはある」

ーーボー・ピープの再登場も含め、今回は新旧さまざまなキャラクターが登場します。描き方のバランスをどう取るのかは難しかったのではないでしょうか?

クーリー:素晴らしい質問ですね。キャラクターの描き方のバランスは確かに難しく、私にとってもチャレンジでした。毎回新しいキャラクターが登場するのが『トイ・ストーリー』シリーズの面白さのひとつでもあり、私もそれを毎回楽しみにしていました。新しいキャラクターが登場することで、『トイ・ストーリー』の世界がどんどん大きくなっていくという側面もありますね。今回も世界を広げるために新しいキャラクターを登場させることはもちろん決まっていましたが、スクリーンタイムは決まっているので、その限られた時間の中で、新しいキャラクターも古いキャラクターも出さなければなりません。そのために、複数のバージョンを作りました。あるバージョンでは、古いキャラクターが出過ぎて、新しいキャラクターを登場させる時間がなくなったり、またあるバージョンでは、新しいキャラクターが多過ぎて、古いキャラクターの登場シーンがなくなったり……。いろいろと試行錯誤をする中で、これがベストなバランスだと行き着いたのが、今回のバージョンなんです。

ーー『トイ・ストーリー』と『トイ・ストーリー2』を手がけたジョン・ラセター、『トイ・ストーリー3』を手がけたリー・アンクリッチは共にピクサーを離れてしまいましたが、彼らから何か受け継いだことはありましたか?

クーリー:彼らは長い間ピクサーで働いていましたが、私も彼らとは長い時間一緒に仕事をしてきました。非常にラッキなーことに、彼らを含め『トイ・ストーリー』に関わったスタッフたちと、私は違う作品などでもいろいろな形で一緒に仕事をすることができたんです。ジョンもリーもピクサーを離れてはしまいましたが、その強い絆は今も変わりません。ちょうどウッディとバズのような関係性だと言えるかもしれません。それに、彼らのスピリットはまだピクサーにはあるんです。ジョンに代わってチーフ・クリエイティブ・オフィサーとなったピート・ドクターも、長年一緒に仕事をしてきた中なので、特に何か大きく変わったという実感はありませんが、ピクサー・スタジオがどんどん良くなっていることは間違いないですね。

(取材・文・写真=宮川翔)

■公開情報
『トイ・ストーリー4』
全国公開中 
監督:ジョシュ・クーリー
製作:ジョナス・リヴェラ、マーク・ニールセン
日本版声優:唐沢寿明、所ジョージ、戸田恵子、竜星涼、新木優子、チョコレートプラネット(長田庄平、松尾駿)ほか
日本版主題歌:「君はともだち」ダイアモンド☆ユカイ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)2019 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
公式サイト:https://www.disney.co.jp/movie/toy4.html

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