『パーフェクトワールド』王道ラブストーリーとして伝えた、認め合う人々の姿 最終回は菅田将暉も

『パーフェクトワールド』最終回が描く愛

 彼ら登場人物ひとりひとりの描き方の向こう側に見えるのは、「いつかこのドラマがただのありふれたラブストーリーになりますように」という、このドラマの最大のテーマであり強い想いだ。今はまだ、車椅子に乗った樹と義足の晴人という目に見えたハンデを持った2人の登場人物によって価値観を見つめ直していく人々の姿が描き出されたドラマであるわけだが、やたらと良い人すぎる是枝(瀬戸康史)であったり、誰かを支えないと生き甲斐を感じられない長沢(中村ゆり)であったりと、すべての登場人物が何かしらの弱点や欠点のような部分を抱えていることがよくわかる。それはつまり、障がいというものに関係なく、ともに生きていくもの同士がそれぞれの抱えるハンデを支え合って認め合いながら生きていくという、至極当たり前のことを問うているに他ならない。一見出来すぎた展開ばかりの“王道”のラブストーリーだからこそ、それを改めて気付かせてくれるのではないだろうか。

■久保田和馬
映画ライター。1989年生まれ。現在、監督業準備中。好きな映画監督は、アラン・レネ、アンドレ・カイヤット、ジャン=ガブリエル・アルビコッコ、ルイス・ブニュエル、ロベール・ブレッソンなど。Twitter

■放送情報
『パーフェクトワールド』
カンテレ・フジテレビ系にて、毎週火曜21:00〜放送
出演:松坂桃李、山本美月、瀬戸康史、中村ゆり、松村北斗(SixTONES/ジャニーズJr.)、岡崎紗絵、池岡亮介、木村祐一、水沢エレナ、堀内敬子、とよた真帆、麻生祐未、松重豊
原作:有賀リエ『パーフェクトワールド』(講談社『Kiss』連載)
脚本:中谷まゆみ
音楽:菅野祐悟
主題歌:菅田将暉「まちがいさがし」<作詞・作曲・プロデュース:米津玄師(EPICレコードジャパン)>
プロデューサー:河西秀幸
演出:三宅喜重 白木啓一郎
制作著作:カンテレ
(c)カンテレ
公式サイト:https://www.ktv.jp/perfectworld/
公式Twitter:https://twitter.com/perfectworldktv

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