橘ケンチが語る、EXILEで見出した独自のスタンスと舞台『魍魎の匣』への挑戦

橘ケンチ『魍魎の匣』インタビュー

 EXILE/EXILE THE SECONDの橘ケンチが主演を務める舞台『魍魎の匣』が6月21日より東京・天王洲 銀河劇場にて公開されている。京極夏彦の「百鬼夜行」シリーズのなかでも傑作と呼ばれる同名小説を原作に、畑雅文が脚本、松崎史也が演出を手がけた本作に挑戦するにあたって、橘ケンチはどんなアプローチをしたのか。EXILE/EXILE THE SECONDのメンバーとして歩んできた独自のキャリアを紐解きながら、役者としてのスタンスに迫った。(編集部)【インタビューの最後には、サイン入りチェキプレゼント企画あり】

「今の自分だからこそ演じることができるキャラクター」


――『魍魎の匣』を舞台化するきっかけは何だったんですか?

橘ケンチ(以下、橘):今回の舞台は、丸山ゴンザレスさんと飲んでいたときに、ゴンザレスさんが京極夏彦先生と交流があるというお話を聞いたのがきっかけになりました。ちょうどそのタイミングで舞台のプロデューサーから、この時期に劇場があいたから何かやらないかという話をいただいて。自分としても、まさか京極先生の作品を舞台化できるなんてことは考えてもいなかったんですが、ゴンザレスさんから「先生は自分の作品が映像化、舞台化されることに協力的な方だ」ということを聞いて、それで『魍魎の匣』はどうだろうということになり、お願いしたところOKをいただいたんです。

――この舞台の第一報がニュースになったときは、ケンチさんが何役を務めるのかということも含めて、SNSが盛り上がっていました。

橘:予想以上の反響でしたし、しかも皆さんが僕が何役をするのかということでも盛り上がってくれて、ありがたいことだなと思いました。原作のファンの方がたくさんいらっしゃると思うので、その方々にも満足してほしいし、舞台には舞台のよさがあるので、生で見た方には「こんなに飛躍した面白さがあるんだ」と思ってもらえるように表現したいです。演出の松崎史也さんとも、舞台ならではの仕掛けを色々と相談していて、今、燃えている感じです。

――『魍魎の匣』の原作には、どんな感想を持ちましたか。

橘:最初はモノノ怪とか妖怪の話を連想していたんですけれど、読んでみると人間ドラマだなと思いました。怖い表現も多々ありますが、僕としては人と人との関係性のほうに興味が湧いたんです。人間の関係性とか、そこに生まれる思いとか感情の方が、実はいろんなものを引き起こしてしまうというのが、この作品のメッセージでありテーマだなと思います。舞台でも、しっかり突き刺さるような表現をしたいです。

――京極堂というキャラクターに対しては?

橘:今の自分だからこそ演じることができる年齢のキャラクターなので、ちょうどいいのかなと考えています。多分、20代では演じられないですし、このタイミングでこんな大役が演じられることがありがたいです。これまではアクションとか踊りを含む舞台が多かったんですけど、今回は動というよりは静の舞台で、セリフ量も多いです。一線を画した挑戦になります。

――これまでは『ドン・ドラキュラ』のドラキュラ役など、ミステリアスな役も多かった印象があります。

橘:自分でそれを意識してきたわけではないですけれど、縁があった役は、普通の人間ではない存在が多かったです。そういう役が自分のビジュアルの印象にハマるのかもしれません。ドラキュラのときは、一度は演じてみたい役柄だったので純粋に嬉しかったのですが、今になって考えると、自分の役柄の方向性が変化するきっかけでもありました。

――今回の舞台は橘さん自身が立ち上げから携わっています。舞台のプロデュースなどにも関心があるのでしょうか?

橘:『ドン・ドラキュラ』くらいから裏方の仕事も意識するようになりました。当時は今ほどがっつりというわけではなかったんですけど、最近はアーティスト活動をしながらLDH ASIAのスタッフワークや企画制作もしているので、そういうところへの興味が増していますね。今回のプロデューサーも『ドン・ドラキュラ』と同じ方で、以前よりも、演者以外の部分での関わりが増えて楽しいです。

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