正真正銘の役者人・佐藤二朗 クイズ番組司会、ツイートまとめ本出版など活躍の場が広がる理由

佐藤二朗なう(AMGブックス)

 佐藤の魅力は俳優業だけに留まらない。日常をつぶやく佐藤のツイートに注目が集まり、現在フォロワー数は130万人を超えている。「ほのぼのしてるのに笑える」「笑いがこらえきれなくなる」「佐藤二朗さんのTweet見たら元気でる」などのコメントが寄せられ、息子や嫁に関するツイートには数千、数万のリツイートやいいねがつく。酔っ払った佐藤がつぶやく意味不明なツイートも人気が高い。その反響の大きさは、ツイッター投稿を集めた本『佐藤二朗なう』(山下書店)の出版で理解できる。厳選された117のツイートがまとめられたこの本には、そのツイートに対する佐藤のツッコみが掲載されている。

 5月19日に放送された『情熱大陸』(MBS)では、飄々として飾らない佐藤の姿が映し出された。役者やスタッフと談笑する姿も、演じる姿も、ファンに手を振る姿も、とにかく自然体だ。だが番組では、自然体な魅力だけではない佐藤のさまざまな表情が映し出された。かつて公演したことのある劇場に足を運んだ佐藤は、芝居に明け暮れていた日々を思い出したのかワクワクした表情を浮かべる。佐藤が監督・脚本を務める『はるヲうるひと』の制作風景では、脚本を執筆する佐藤の真剣な眼差しを捉えている。かと思えば、妻と息子と過ごす1人の男性としての姿もあった。佐藤はインタビューで「世間様に佐藤二朗のまだ5分の1ぐらいしかお見せできていない」と答えていた。唯一無二の演技で存在感を発揮しつつ、飾り気のない雰囲気で人を惹きつける佐藤の魅力は尽きない。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「アクター分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる