韓国版『リトル・フォレスト』イム・スルレ監督、キム・テリらキャスティングの裏側を明かす

韓国版『リトル・フォレスト』監督コメント

 5月17日に公開される韓国映画『リトル・フォレスト 春夏秋冬』より、イム・スルレ監督のコメントが公開された。

 本作は、2014年に橋本愛主演で映画化もされた、大自然に囲まれた小さな集落で暮らす1人の女性の姿を描いた、五十嵐大介の人気コミック『リトル・フォレスト』を韓国で映画化したもの。恋愛、就職と何一つ思い通りにいかない主人公ヘウォンが、何もかもを後にして故郷に帰り、幼なじみのジェハ、ウンスクと共に、春夏秋冬・特別な四季を送り、新たな自分の生き方を探していく。

 主演は、パク・チャヌク監督『お嬢さん』のオーディションで1500分の1の競争率を勝ち抜いたキム・テリ。本作では、都会の生活に疲れ、故郷に戻るヒロイン・ヘウォンを演じた。共演には『タクシー運転手 ~約束は海を越えて~』のリュ・ジュンヨル、監督を『グローリーデイ』などのイム・スルレが務める。

 イム・スルレ監督は、日本の漫画原作を映画化するにあたり工夫したポイントについて、 「日本版の映画とはかなり違います。あちらは四季を2分割して、2編の映画にまとめたために尺が長く、4時間を超えています。私たちは、それを100分に圧縮して、母親とへウォンのキャラクターも少し変えました。『子供の時に母親が何も言わずに去った経験を持つ若い女性が、都会から田舎に戻り、そこで自給自足しながら料理を作る』という基本的な設定は同じですが、韓国人がもう少し理解しやすいキャラクターとストーリーに変えてみました」とコメント。本作には、美味しい料理や四季の自然が登場するが、その撮影については「登場人物が少ないので、料理や自然も登場人物のように考えました。色感はもちろん、料理する時の音、犬の鳴き声、鳥のさえずりなどにも気を使いました」と、そのこだわりを明かしている。

 さらに、主演のキム・テリについては「テリさんは私の知っている20代の女優の中で、一番、自然体の女優です。飾らない自然な魅力があるということが一番の決め手でした。この映画には、自然体の俳優が出るべきだと思っていたからです」と、リュ・ジュンヨルについては「ジュンヨルさんが持っている純朴な青年の雰囲気を生かしたいと思いました」と、そして新人であるチン・ギジュについては「あるバラエティー番組で進行役をしている姿を見ました。それを見た時、とてもかわいく新鮮に感じました。演技よりは彼女はパワーに溢れていて、かわいかったので、簡単なオーディションに呼び演技してみてもらったところ、とても純粋で、いい子に見えました」と、キャスティングの裏側を語っている。

 なお、イム・スルレは代表作『私たちの生涯最高の瞬間』などでも女性のキャラクターを主人公にした映画を撮ってきたが、その意図については「今の時代、女性を対象化して歪曲するのはタブーだと理解しています。監督として、もう少し現実を正しく描かなければならないという気持ちがあります。しかし、意図的に女性を主人公にした、女性中心的な映画を作るという意図はありません」と、明かしている。

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■公開情報
『リトル・フォレスト 春夏秋冬』
5月17日(金)シネマート新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国ロードショー
監督:イム・スルレ
出演:キム・テリ、リュ・ジュンヨル、 チン・ギジュ
原作:五十嵐大介『リトル・フォレスト』(講談社『アフタヌーン』所載)
配給:クロックワークス
(c)2018 Daisuke Igarashi /Kodansha All Rights Reserved.
公式サイト:klockworx-asia.com/little-forest/

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