『緊急取調室』天海祐希と“対決”するゲスト女優配役の巧さ 長期シリーズに新展開訪れる
現在放送中の『緊急取調室 3rd SEASON』(テレビ朝日系)は、捜査一課の緊急事案対応取調班、略して“キントリ”が被疑者を取り調べる様を中心に描いた、1話完結型のサスペンス刑事ドラマだ。
天海祐希演じる真壁有希子はキントリ唯一の女性メンバーで、その能力の高さから、管理官の梶山(田中哲司)、口が悪くて気が短い「菱やん」こと菱本進(でんでん)、常に冷静で穏やかな「春さん」こと小石川春夫(小日向文世)に対して臆することなく、一歩も引けをとらない活躍を見せている。
昨シーズンまで出演していた大杉漣が逝去したことから、大杉が演じていたキントリメンバー「ホトケの善さん」こと中田善次郎が退職し、塚地武雅演じる玉垣松夫が捜査支援分析センターから異動してきて、新たにメンバーに加わった。中田とは警視庁の将棋部で親しい間柄だった、というエピソード付きだ。この玉垣、最初こそキントリメンバーの危ない橋を渡ることも厭わないやり方に「異動してきたばかりで処分を受けるのはごめんだ」と戸惑いを見せており、真壁の決めゼリフ「面白くなってきたじゃない」に対して「全然面白くない」と切り返すなどしていたが、メンバーからは「玉ちゃん」と親しみを込めて呼ばれ、初回から画像解析のエキスパートとしての手腕を発揮して事件解決に貢献したり、早々に馴染む様子を見せている。
これまで真壁にとってキントリメンバーは、梶山が同期である以外は全員先輩だったが、玉垣が来たことにより先輩風を吹かせる相手が出来た気安さも感じられるようになってきた。また、お笑い芸人でありながら、俳優としての活躍も目覚ましい塚地の生き生きとしたコミカルな演技が、これまでのシーズンに比べてより軽妙でテンポのよい流れを生んでいる。
新メンバー参加という変化に加えてもう一つ、今シーズンの特徴として大きいのは、真壁たちキントリメンバーが対峙する被疑者のうち、事件の最も重要な鍵を握る人物が女性ばかりであるという点だ。