“ヒロインと結ばれない”朝ドラ定番に変化? 「幼なじみ枠」大勢出演の『なつぞら』を機に分析

「幼なじみ枠」大勢出演の『なつぞら』

 そして、「幼なじみと結ばれない」説を大きく覆した決定版は、やはり『半分、青い。』だろう。同じ日に同じ病院で生まれ、赤ちゃん時代から運命的な出会いをしていた鈴愛(永野芽郁)と律(佐藤健)。お互いに大切な親友で、恋心を抱いた時期もありながら、別の人と恋をし、結婚もし、距離を置いた時期も経て、最後の最後で、ようやくお互いの気持ちを確認する。この結論に至るまでの全てが、誕生時からずっとつながり、育まれてきた運命だったのだ。

『半分、青い。』(写真提供=NHK)

 さて、『なつぞら』の場合は、なつを見守る人、助ける人、将来への影響を与える人、安らぎを与える人など、複数の幼なじみ的存在が配置され、それぞれにキャラクターも関わり方も異なっている。現時点では恋心がお互いに見えるのは、天陽だけだが、はたしてこの先は……? 幼なじみたちとの今後の展開も、見逃せない。

■田幸和歌子
出版社、広告制作会社を経てフリーランスのライターに。主な著書に『KinKiKids おわりなき道』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』(ともにアールズ出版)、『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』(太田出版)などがある。

■放送情報
連続テレビ小説『なつぞら』
4月1日(月)〜全156回
作:大森寿美男
語り:内村光良
出演:広瀬すず、松嶋菜々子、藤木直人/岡田将生、吉沢亮/安田顕、音尾琢真/小林綾子、高畑淳子、草刈正雄ほか
制作統括:磯智明、福岡利武
演出:木村隆文、田中正、渡辺哲也ほか
写真提供=NHK
公式サイト:https://www.nhk.or.jp/natsuzora/

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