森山未來が明かす、大河ドラマ『いだてん』出演を後押しした2人の存在 「口説き落とされた」

森山未來の『いだてん』出演を後押しした2人の存在

 NHKの大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』で本作の語り部であり、裏の主役とも言える美濃部孝蔵/古今亭志ん生。毎話、ビートたけしが演じる志ん生、森山未來演じる若き日の志ん生=孝蔵が、入れ替わり立ち替わり登場する。

 森山にとって、本作が初となる大河ドラマへの出演。現場の様子や、森山の代表作でもある『モテキ』を手がけた大根仁監督との再タッグについて話を聞いた。

「口説き落とされた」


ーー初となる大河ドラマ、現場に入られていかがですか。

森山未來(以下、森山):長いです(笑)。だからやりたくなかったんですけど、井上(剛)さんと大根さんにいきなり飲み屋に呼ばれて、口説き落とされて。現場に入ってみて、技術部、美術部、制作も含め、本当に皆すごくしっかりしていて、これは他でやろうと思ってもできない貯蔵量というか、やっぱり今まで積み上げてきたものがあるなと驚きました。今回は、時代劇ではない、現代に近いものを扱うというところからすでに冒険が始まっていて、ここまで引っ張り続けている井上さんのエネルギーがすごいなと思います。

ーーどのように口説かれたんですか?

森山:大根さんがNHKで演出をやるという時点でびっくりしたし、チーフ演出で井上さんが入る、そこで「やらないか」と誘われて、これはもう逃げらんないなと(笑)。

ーーお2人は森山さんにとってどんな存在なのでしょうか。

森山:井上さんと大根さんは、僕の映像に携わる人生の中では大きな2人です。NHKの『その街のこども』、『未来は今』などの神戸の震災にちなんだ番組を井上さんと僕の二人三脚で作っていった感覚があって。大根さんとも『モテキ』という作品で一緒に対話を重ねながら作っていった。2010年から11年くらいのあの頃に2人に出会ったことは僕にとって非常に大きいんですよね。大根さんは元々『その街のこども』を見て、この手法がヤバい! とその頃ブログに書いていたり、井上さんの手法にインスパイアされた形として『モテキ』の撮り方があったというのも何となく聞いていました。

ーー今回の大根さんの印象はいかがですか。

森山:『モテキ』の後の舞台『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』以来だったんですが、今回、大根さんはなんだか生き生きしてますよ。大河ドラマにこういう形で外から人を入れてくることって異例だったらしいですよね。それまで、NHKの中の人たちだけで物を作ってきている分、ノウハウをお互い分かっているけれども、関係値もある程度はっきり出てきてしまっていたところもきっとあったと思うんです。でもそれが大根さんの外からの目線で内部を見た時に、いっぱい発見があっただろうし、NHKの人たちにとっても改めて自分達のやり方を再認識することもあって、その相乗効果みたいなものがあるんじゃないかなって。

 大根さんがスタッフの間を縫って、良い意味でかき回してる感じがあります。この前も大根さんが監督する日ではなかったんですけど、最後までいて、夜食を作ったからってスタッフと役者みんなに一人で振る舞っていました(笑)。『モテキ』もそうですが、普段は自分で立ち上げて自分で撮ってと、一人で背負うものが多い中で作っているのだと思いますが、今は立ち位置として楽なものもあるんでしょうね。こんなに良い意味で気楽に楽しんでる大根さんは見たことがないです。

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