『アベンジャーズ/エンドゲーム』への期待 MCUの一大シリーズ10年の歩みを総括する

MCU、一大シリーズ10年の歩みを総括

 今、観客の目の前には、映画史上かつてないほど広がった風呂敷がある。プロデューサー、監督、キャスト、スタッフ……関わった人間を数え始めるとキリがない。世界中の豊かな才能を持った人々が、10年かけて広げてきた巨大な風呂敷だ。これをいったいどう畳むのか? もはや「映画」という以上に、一つのプロジェクトとして『アベンジャーズ/エンドゲーム』が楽しみで仕方ない。世代のせいか、この原稿を書く私の頭の中では中島みゆきの「地上の星」が流れている。あと数日後には、これが「ヘッドライト・テールライト」になっているはずだ。もちろん世の中に絶対はない。悲しい結果になってしまい、同じ中島みゆきでも「時代」が流れている可能性もあるし、ヤケになってt.A.T.u.にドタキャンされたときのMステばりにTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTの「ミッドナイト・クラクション・ベイビー」が流れている可能性もある。

 しかし、今までMCUが様々な困難を乗り越えて、不可能を可能にしてきたのも事実だ。実際に数々のヒーロー映画を作り、ヒットさせ、クロスオーバーさせることに成功した。決して知名度が高いとはいえなかったヒーローたちまで、街中でよく見かけるアイコンにまで押し上げ、世界を変えた。MCUが成し遂げてきたことを振り返れば、きっと次もうまくいくはずだろうと言い切れる。それに、もしもうまくいかなくても、きっとうまくいくまで挑戦するだろう。MCUはそういう物語を何度も何度も描いてきたのだから。それでは、10年も追いかけ続けた一大シリーズのフィナーレに向けて、MCUの中心キャラクターであるキャプテン・アメリカの名セリフの引用で記事を終えたい。「最期まで、とことん付き合うよ」。

■加藤よしき
昼間は会社員、夜は映画ライター。「リアルサウンド」「映画秘宝」本誌やムックに寄稿しています。最近、会社に居場所がありません。Twitter

■公開情報
『アベンジャーズ/エンドゲーム』
4月26日(金)全国公開
監督:アンソニー・ルッソ&ジョー・ルッソ
製作:ケヴィン・ファイギ
出演:ロバート・ダウニー・Jr.、クリス・ヘムズワース、マーク・ラファロ、クリス・エヴァンス、スカーレット・ヨハンソン、ジェレミー・レナー、ポール・ラッド、ブリー・ラーソン
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)Marvel Studios 2019/
公式サイト:https://marvel.disney.co.jp/movie/avengers-endgame.html

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