『東京独身男子』高橋一生の“こじらせ男子”ぶりが露わに 早乙女太一との対比から見えてきたもの

『東京独身男子』高橋一生と早乙女太一を対比


 糸井は「舞衣はわかりやすいから。今何考えてるか、元気があるかないかがすぐわかる」と言い、最後には「なんつっても舞衣の幸せが一番だから」とも。舞衣が太郎を選ぶなら自分は身を引くと潔く言い残し、その場を後にする。

 舞衣の言動を「何を考えているかわからない」と自分の都合の良いようにばかり解釈していた太郎と、「舞衣はわかりやすいから」と言い切る糸井。目に見えている断片的な事象をかき集め「自分が傷つかなくても良いように」と勝率ばかり計算していた太郎と、「舞衣の幸せが一番だから」と身を引く覚悟も辞さない糸井。太郎、圧倒的敗北の瞬間である。

 そして気付くのだ。これまで事あるごとに、太郎が決定的な行動に移ろうとする寸前で糸井が出現し、それを阻止してきたかのように見えていた。だが、糸井は自分の気持ちに忠実で体裁も大義名分も関係なく、まず思いを行動にきちんと移してきていた。

 それに対して太郎のように「タイミングが悪い」「今、良いとこだったのに……」などと言って外部要因のせいにしているばかりでは、本当に欲しいものは手に入れられないのだ。

 ただ、一つ救いだったのは、たまたま同じタイミングで温泉に入っていた太郎と舞衣が、壁一つ隔てて話すシーンでのことだ。舞衣から「彼についてどう思う?」と聞かれた太郎が、打算なしにこれまでで最も本心で話せていた。そこには太郎自身の「舞衣の幸せを一番に願う気持ち」が純粋に滲み出ていた。

 太郎の恋が一旦収束に向かいつつある中で、かずなからのアプローチが始まったり、岩倉が気になる部下が三好にとっての狙っている女性・透子(桜井ユキ)と同一人物であることが発覚したりと、3人の恋模様の全貌が見え始めた第2話。今回のアジェンダの発案者である岩倉が、この事実を自身の恋にも上手く転用できるのかも今後の見どころとなりそうだ。

■Yoshika Umeda
元出版社勤務。現在都内OL時々ライター業。三度の飯より映画・ドラマが好きで2018年の劇場鑑賞映画本数は96本。Twitter:https://twitter.com/Tominokoji

■放送情報
土曜ナイトドラマ『東京独身男子』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:15~0:05放送
出演:高橋一生、斎藤工、滝藤賢一、仲里依紗、高橋メアリージュン、桜井ユキほか
脚本:金子ありさ
音楽:河野伸
演出:樹下直美、タナダユキほか
ゼネラルプロデューサー:横地郁英(テレビ朝日)
プロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)、菊池誠(アズバーズ)岡美鶴(アズバーズ)
制作協力:アズバーズ
制作:テレビ朝日
(c)テレビ朝日
公式Twitter:https://twitter.com/AKDanshi
公式Instagram:https://www.instagram.com/akdanshi/

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