『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』インタビュー
本田翼が語る、二十歳の自分と今の自分 「経験の差が確実にある」
平成最後の月9となる『ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~』(フジテレビ系)。月9初主演を飾る窪田正孝が掟破りの天才放射線技師・五十嵐唯織を演じる本作は、現在「グランドジャンプ」(集英社)で連載中の同名コミックを原作にした、放射線科(ラジエーションハウス)で働く、“縁の下のヒーロー”たちの戦いを描くドラマだ。
そして、物語の舞台となる総合病院の放射線科医であり、唯織が思いを寄せるヒロイン・甘春杏を演じるのが本田翼。2012年から連続地上波ゴールデン・プライム帯(午後7時~11時)ドラマ出演となる本田だが、医師役は今作が初めて。医師役への挑戦についてはもとより、女優業以外でも活躍を続ける本田の仕事への意識を聞いた。
「とにかく自分が頑張ればいい」
――初の医師役ですね。役者さんにとって、医師役というのはひとつの憧れなのでは?
本田翼(以下、本田)):憧れというよりも難しい役柄というイメージでしたので、覚悟を決めるときがきたなと思いました。
――ただ、ドラマで見る医師というのは脳外科などのメスを持ったイメージが強いです。本田さん演じる甘春杏は、放射線科医という役どころですね。
本田:お話をいただくまで、放射線科医という存在を知りませんでした。診察室に入ってお医者さんに会って、自分の体調を話してレントゲンを撮ってもらう。後日、診察室で最初に会ったお医者さんから結果を聞く。その流れから、お会いしたお医者さんが診てくれているものだと思っていたのですが、放射線科医という職業の人がいて、その方たちが、レントゲンを見て診断をしていると。ちょっと衝撃でした。放射線科医とは、最も患者と会うことのない医者だと言われました。
――出演決定後、これからいろいろ勉強したいとコメントしていましたが、実際、見学に行ったりはしましたか?
本田:はい。病院を見学させていただいて、放射線科にも行きました。中にまで入らせていただいて、「放射線が飛ぶから」と鉛の壁みたいなところに「隠れてください」と言われて放射線を浴びないようにするといった経験もしました。血管造影の検査も見学させていただきました。今回、この職業を初めて知りましたが、放射線科医の存在って、海外では当たり前に知られているそうなんです。でも日本では知られていないので、このドラマを通じて、放射線科医が病院の要となる存在なのだということを知ってほしいです。
――杏はどんな女性ですか?
本田:ちょっと勝気な女性です。でもそうした発言をしてしまう理由は、父が愛した病院を自分が守らなければという思い、そして患者さんを救いたいという気持ちが強いからなんですよね。一生懸命になりすぎて周りが見えなくなっているところがあるのかなと感じています。
――脚本を拝読しましたが、確かにひとりで頑張ってしまっている女性なのかなという印象でした。本田さん自身が、杏と重なる部分はありますか?
本田:一つのことに集中していると周りが見えなくなってしまったりといった部分は重なりますね。
――周りが見えなく、というのは、現在の本田さんですか?
本田:いえ、まだ自分が今より若くて仕事に慣れていなくて、どんな仕事もいっぱいいっぱいだったときの、当時の自分と重なります。
――そうした状態をどう乗り越えたのですか? 杏は周りとチームになっていくことで変化していきそうですが、本田さんも周囲に相談されたり?
本田:どちらかといえば私は自分の中で解決するタイプだと思います。プレッシャーを感じる瞬間というのはありましたが、それに押しつぶされるよりも自分は自分と思えるタイプなので(笑)。とにかく自分が頑張ればいいのだと。
――その頑張ってもがいてきた結果、当時と現在の変化は?
本田:経験を重ねたことは大きいと思います。たとえば二十歳のときの自分と今の自分では経験の差が確実にあって。経験がないと、ちょっとしたことで焦りやすいですよね。だからすぐにいっぱいいっぱいになってしまってました。今は年も重ねて、経験も積んできているので、こういう時もあるよねと落ち着いて捉えられるようになれたのかなと思います。