『キャプテン・マーベル』アクション×濃密な物語を楽しめるのは4DXだけ 心情の変化も伝わる演出

『キャプテン・マーベル』4DX体験レポ

 もちろん、アクションシーンでは、先ほどの様相からガラリと変わり、大胆な動きに合わせて、座席が暴れ狂う。ジュード・ロウ演じる特殊部隊スターフォースの司令官に、ヴァースが手合わせを申し出る場面では、ふたりのアクションに連動し座席が大きく左右交互にグラグラ揺れ動き、観客が一体となってスクリーンの映像とシンクロしていく。ただ激しいだけではない、機敏な動きを演出してくれる。

 迫力あるアクション体験において特筆すべきシーンは、列車の上での激しいバトルだろう。スクラル人を追って列車に飛び乗ったヴァースは、列車内で攻防することになる。矢継ぎ早にシーンが切り替わると、列車上での見せ場に突入。高速で移動する列車上では、激しい向かい風が観客を襲い、まるでわたしたちも列車の上に立っている感覚だ。この列車を乗用車で追うのは、若きニック・フューリー(サミュエル・L・ジャクソン)。あるアクシデントが発生し、フューリーの乗る自動車が大破、スピンすると、座席が大きく揺れる。耳元に吹く強烈なエアジェットやフラッシュ、水の演出も、4DXのアトラクション風味をより顕著に感じる演出で面白い。

 映画が面白いのは紛れもない事実だが、キャプテン・マーベルの驚くべき力をこの身を持って体感したいのであれば、絶対に“4DX”を選ぶべきである。このパワーを体感してしまえば、サノスだってひれ伏すに違いないと、そう確信してしまう。シリーズを知悉している狂信的なマニアはまして、マーベル・ユニバースに初めて足を踏みこむ一見さんまで、その両者を同時に満足させる如才ない映画づくりはさすがマーベルだ。いますぐ劇場に足を運んでほしい。そして彼女のパワーに驚愕するがいい……‼

■Hayato Otsuki
1993年5月生まれ、北海道札幌市出身。ライター、編集者。2016年にライター業をスタートし、現在はコラム、映画評などを様々なメディアに寄稿。作り手のメッセージを俯瞰的に読み取ることで、その作品本来の意図を鋭く分析、解説する。執筆媒体は「THE RIVER」「IGN Japan」「映画board」など。得意分野はアクション、ファンタジー。

■『キャプテン・マーベル』4DX上映劇場一覧
※劇場情報は、各劇場サイトより確認。
※劇場により、対応している効果が異なる。
※上映劇場は変更となる場合あり。
【ユナイテッド・シネマ】http://www.unitedcinemas.jp/4dx/index.html
【シネマサンシャイン】http://www.cinemasunshine.co.jp/4dx/
【USシネマ】http://cinemax.co.jp/4dx/
【109シネマズ】http://109cinemas.net/4dx/
【コロナシネマワールド】http://www.4dx.korona.co.jp/4dxbu/index.html
【イオンシネマ】http://www.aeoncinema.com/4dx/
【フォーラム那須塩原】https://www.forum-movie.net/nasushiobara/
【アースシネマズ姫路】http://earthcinemas.jp/theaters/4dx

■公開情報
『キャプテン・マーベル』
全国公開中
監督:アンナ・ボーデン、ライアン・フレック
製作:ケヴィン・ファイギ
出演:ブリー・ラーソン、ジュード・ロウ、サミュエル・L・ジャクソン、クラーク・グレッグ
配給:ウォルト・ディズニー・ジャパン
(c)Marvel Studios 2019

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