坂口健太郎と藤木直人の間に生じたほころび 『イノセンス 冤罪弁護士』衝撃の展開で最終話へ

『イノセンス』坂口健太郎と藤木直人の綻び

 「立場は違うけど、あのふたりが仕事に込めている思いはきっと同じ」。拓の母・麗(榊原郁恵)が楓に伝えたこのメッセージも印象的だ。拓と拓の父・真(草刈正雄)の信念の根底にはきっと同じものがあるはずだという希望。それはすなわち、真に誘われて検察庁直轄の科学捜査機関に参加した秋保とも、根底では繋がっていることを示唆するものだ。

 第9話のラストでは、何者かが拓を襲い、それをかばった楓が脇腹を刺されてしまうという衝撃の展開が訪れる。『イノセンス』は、たとえ事件の真相が明らかになっても、一度冤罪を背負ってしまったものやその関係者、事件の被害者たちは何らかの苦しみを抱え続け、もとのような生活は取り戻すことができないと伝え続けてきたドラマ。11年前の事件の真犯人や、拓と秋保、あるいは拓と父親との関係性、またこのところ拓と楓との間で強化され続ける信頼感など、気になる事柄を多く背負いながら次週で最終話を迎える本作であるが、は
たして彼らに“白日”は訪れるのか。

 「もう戻れないよ、昔のようには 羨んでしまったとしても 明日へと歩き出さなきゃ 雪が降り頻(しき)ろうとも」

 主題歌のKing Gnu「白日」に乗せられて、すべての真相は最終話へと引き継がれていく。

■原航平
編集/ライター。1995年生まれ。映画、ドラマ、演劇など、とにかく物語と役者に興味津々。大学時代の卒業論文の題材は「疑似家族を描く日本映画について」。
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■公開情報
土曜ドラマ『イノセンス~冤罪弁護士~』
日本テレビ系にて、毎週土曜22:00〜放送
出演:坂口健太郎、川口春奈、藤木直人、趣里、杉本哲太、市川実日子、志賀廣太郎、小市慢太郎、正名僕蔵、赤楚衛二、草刈正雄
脚本:古家和尚
音楽:UTAMARO Movement
音楽プロデュース:岩代太郎
チーフプロデューサー:池田健司
プロデューサー:荻野哲弘、尾上貴洋、本多繁勝(AXON)
演出:南雲聖一、丸谷俊平
制作協力:AXON
製作著作:日本テレビ
(c)日本テレビ
公式サイト:https://www.ntv.co.jp/innocence/

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