マーゴット・ロビー続投のスピンオフ作は大暴れに期待? ハーレイ・クインの歴史と魅力を振り返る

ハーレイ・クインの歴史と魅力を振り返る

 とここまで書いて、あれ、ハーレイ・クインが主役なのになぜヒーロー・チーム名がタイトルなの? と思われる方もいらっしゃるでしょう。実はこの映画の本当のタイトルは“Birds of Prey(and the Fantabulous Emancipation of One Harley Quinn)”と言われており、( )内の意味は“そしてハーレイ・クインの素晴らしい解放”です。このEmancipation=解放・離脱というのがポイントで、これはつまりハーレイ・クインがもうスーサイド・スクワッドの1メンバーでも、ジョーカーの恋人としてでもなく、しがらみから脱して一人の独立した存在として活躍するということを示唆しているわけです。

『スーサイド・スクワッド』(c)2016 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNEENTERTAINMENT LLC

 なおこの映画には、タイトルの“バーズ・オブ・プレイ”側として格闘技の達人で口から超音波を発するという設定もあるブラックキャナリー(ジャーニー・スモレット=ベル)、クロスボウを使うハントレス(メアリー・エリザベス・ウィンステッド)、凄腕女刑事のレニー・モントーヤ(ロージー・ペレス)、コミックではバットガールになるカサンドラ・ケイン(エラ・ジェイ・バスコ)らが登場。“バーズ・オブ・プレイ”の面々とハーレイ・クインが闘う(?)一方、ユアン・マクレガーがローマン・シオニス、またの名をブラックマスクというヴィランを演じ、その片腕となるサイコな殺し屋のビクター・ザーズ役にクリス・メッシーナ(『アルゴ』『夜に生きる』)を起用。ブラックマスクは、元化粧品会社のCEOでギャングとなり黒いドクロのようなマスクをかぶって犯罪に手を染めます。暗黒街のボスです。正義の“バーズ・オブ・プレイ”と悪のハーレイ・クインが共闘して、もっと邪悪なブラックマスクに立ち向かうという展開でしょうか? 映画はR指定も視野に入れた“ガールズ・ギャング映画”との噂もあり、ハーレイ・クイン大暴れの痛快アクションになりそう。

 これとは別にワーナー(DC)は、マーベルで『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』2作を手掛けたジェームズ・ガン監督による『ザ・スーサイド・スクワッド』(『スーサイド・スクワッド』の続編。1作目には“ザ/THE”がつかないのです。2021年8月6日全米公開予定)を準備中ですが、ここにもマーゴット版ハーレイが顔を見せるとの噂。またハーレイ・クインを主人公にしたアニメ・シリーズも配信予定で、ハーレイ・クインを推していることがわかります。ハーレイ・クインをいいあてた表現の一つに“アメコミの中に登場した、大人になったドキンちゃん”というのがありますが、まさにそれ。かわいくてかっこよくてビジュアル的にもおしゃれで、好き放題暴れまわる……これだけ魅力的な要素をもったキャラですから好きにならずにはいられませんよね。2020年、スクリーンでのハーレイ・クインとの再会が楽しみです。

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■杉山すぴ豊(すぎやま すぴ ゆたか)
アメキャラ系ライターの肩書でアメコミ映画に関するコラム等を「スクリーン」誌、「DVD&ブルーレイでーた」誌、劇場パンフレット等で担当。サンディエゴ・コミコンにも毎夏参加。現地から日本のニュース・サイトへのレポートも手掛ける。東京コミコンにてスタン・リーが登壇したスパイダーマンのステージのMCもつとめた。エマ・ストーンに「あなた日本のスパイダーマンね」と言われたことが自慢。現在発売中の「アメコミ・フロント・ライン」の執筆にも参加。Twitter

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