杉咲花が板谷由夏にビンタで喝! 『ハケン占い師アタル』に響いたサボテンの花言葉
今作で演じている大崎もまた、リーダーだ。しかしパワフルさはなく、空元気ギミな上、繊細さばかりが目立っている。個性的なDチームの面々を、何とか取りまとめようとする彼女の困り顔は、見ているこちらも胃の調子が悪くなりそうなものである。ところが今は、Dチームは大崎を差し置いて、上がり調子なのだ。彼女ばかりが皆の意欲についていけない。
そうして代々木からのプレッシャー、Dチームの面々からの「辞めたくない」との想いの板挟み状態に遭った彼女は、まさかの自らが退職し、占いの先生のところに置いてもらうなどと口にする。これにアタルが素早く反応。「目を覚まして下さい」の一言とともに、強烈なビンタを喰らわせたのだ。アタルいわくキズナとは、信者を集めて金儲けを企む、悪徳占い師なのだという。そうしてアタルは、自ら大崎の占いを買って出るのだ。
大崎は自身のことを、水を貰えないサボテンのようだという。それに対してアタルは、「サボテンの花言葉は、“偉大”、“温かい心”、“燃える心”、“枯れない愛”、あんたそのものじゃん」と返す。さらに、自分を“偽物のリーダー”として悩んでばかりいる大崎に、本当のリーダーとは、悩んで悩んで、悩み抜く人間なのだと諭す。アタルの言葉に吹っ切れた大崎を、あたたかな西陽が包むいつもの職場で、個性的なDチームの皆の優しい言葉が待っていた。
さて、問題はここからだ。アタルの口から、キズナとの母娘の関係が明らかとなった。アタルを探しているキズナに、大崎が居場所を話してしまったことによって、キズナの存在がじわじわと近づいてくる。次週、大きな展開を迎えることになりそうだ。
■折田侑駿
映画ライター。1990年生まれ。オムニバス長編映画『スクラップスクラッパー』などに役者として出演。最も好きな監督は、増村保造。
■放送情報
木曜ドラマ『ハケン占い師アタル』
テレビ朝日系にて、毎週木曜21:00~21:54放送
出演:杉咲花、小澤征悦、志田未来、間宮祥太朗、志尊淳、野波麻帆、板谷由夏、若村麻由美、及川光博
脚本:遊川和彦
音楽:平井真美子
ゼネラルプロデューサー:黒田徹也(テレビ朝日)
プロデューサー:山田兼司(テレビ朝日)、山川秀樹(テレビ朝日)、太田雅晴(5年D組)、田上リサ(5年D組)
演出:遊川和彦、日暮謙(5年D組)、伊藤彰記(5年D組)
制作協力:5年D組
制作著作:テレビ朝日
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