錦戸亮の過去が物語の鍵に? 『トレース~科捜研の男~』“嫌われ役”船越英一郎との関係性に変化も

『トレース』船越英一郎の哀しき過去

 錦戸亮が主演を務める『トレース~科捜研の男~』(フジテレビ系)が、1月21日に第3話を迎えた。『トレース』のメインキャラは真野礼二(錦戸亮)、沢口ノンナ(新木優子)、虎丸良平(船越英一郎)の3人。第2話では沢口がフィーチャーされた回であったが、第3話では虎丸にスポットが当たる。

 早口で捲し立て、怒号を飛ばす虎丸は、物語の中でも浮いた存在である。警視庁のベテラン刑事である虎丸は科捜研の真野、沢口らといつも言い争いをしてばかり。第3話においても、事件の概要に自身の主観を入れ込む虎丸に真野が「主観は聞いていない。客観的な事件概要を」と口論する場面がある。「俺の勘だ」が口癖の虎丸に対して、「鑑定結果こそ真実だ」と断言する真野が打ち解けるのは当分先のことになるだろう。

 そんな2人が第3話にて、一瞬シンクロする場面がある。虎丸の先輩刑事・鶴見茂(大地康雄)が、事件の証拠を隠滅したことに真野が「あなたそれでも……」と叱責しようとするところに、虎丸が「刑事には絶対にやっちゃいけないことがあるんだよ! バカにするのもいい加減にしろ」と被せて、鶴見を咎める。捜査に関しての考え方は正反対ではあるが、人としての道徳についての情熱は同じ。世話になった先輩への思いの分だけ、虎丸が上回った形だろう。

 今回のストーリーでは、鶴見の「息子さんそろそろ成人だろ?」という一言から虎丸の家族についても明かされることとなる。口ばかりで家にも帰らず、息子の大学合格も祝えなかった虎丸は、5年前に妻と離婚。言い合いの末に、息子と共に出て行かれ、それ以来一度も家族と会えてはいない。第3話の事件の真相は、喧嘩してばかりの両親の離婚を止めるために、幼い少女が嘘の自殺の練習をしたことによる、“不慮の事故”だった。その事件の真相を両親に伝えるのは、虎丸の役目だ。失ったあとに気づく大切な存在……。虎丸は、自身の境遇と重なる事件の真相を、ゆっくりと真摯に話していく。「娘さんはご両親が仲直りするのを願っていました」というセリフは、きっと過去の自分自身にも言い聞かせる一言だったに違いない。

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