“戸田恵梨香不在”の寂しさがドラマと現場でリンクするーー『大恋愛』最終回の収録裏を見た

『大恋愛』最終回の収録裏を見た

ついに語られる、水野の本音

『大恋愛~僕を忘れる君と』第6話より (c)TBS

 病気によって何もかもわからなくなってしまったら「あの人に託したい」、尚がそう語った、真司の担当編集・水野(木南晴夏)。真司の才能を支えたいと熱心に仕事をする一方で、キッチンに立ち、恵一の離乳食からトイレットペーパーの補充まで手がけ家の中に入り込みすぎている印象も。小説を売りたい一心なのか、それとも別の思惑があるのか。視聴者の胸をざわつかせてきた水野が、最終話では本音を覗かせる。

これからを生きる、真司の決意

『大恋愛~僕を忘れる君と』第10話より (c)TBS

 真司は26歳のとき『砂にまみれたアンジェリカ』で小説家デビューを果たすも、2作目で酷評され世間に忘れられていった。そして41歳で、小説の一節を暗記するほど、小説家・間宮真司のファンだという尚に出会い、失われていた生きる活力を取り戻していく。

 尚をきっかけにガラリと変わった真司の運命。そんな出会いが、私たちの人生にもあるのかもしれない。それは、人だけではなく、ドラマをはじめとした作品もそうだ。尚にとって『砂にまみれたアンジェリカ』が、自分らしい人生を切り開く鍵となったように。

 だが、出会えた奇跡と、悲しい別れは背中合わせだ。それは、どんな人も逃れることのできない人生の苦難。私たちも『大恋愛』というドラマ、そして戸田恵梨香×ムロツヨシの幸せな風景を知ったからこそ、最終回という別れが寂しくて仕方ない。避けられない人生の悲しみを、真司がどのように受け止めていくのか。その姿に、『大恋愛』ロスを迎える視聴者が、前を向くことができるヒントがあると信じて、今夜の放送を心待ちにしている。

(取材・文=佐藤結衣)

■放送情報
金曜ドラマ『大恋愛~僕を忘れる君と』
TBS系にて、毎週金曜22:00~22:54(最終回は15分拡大の22:00~23:09)
脚本:大石静
プロデューサー:宮崎真佐子、佐藤敦司
演出:金子文紀、岡本伸吾、棚澤孝義
出演:戸田恵梨香、ムロツヨシ、富澤たけし(サンドウィッチマン)、杉野遥亮、木南晴夏、小池鉄平、黒川智花、橋爪淳、夏樹陽子、草刈民代、松岡昌宏
製作:ドリマックス・テレビジョン、TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/dairenai_tbs/
公式Twitter:@dairenai_tbs

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