『中学聖日記』新井順子Pの“泣けるラブストーリー”への熱意 「賛否両論あるとは覚悟していた」

新井順子Pが語る、『中学聖日記』の裏側

「ドラマオリジナルのラストに」


――実写化に当たって、晶の母親である愛子(夏川結衣)の存在が原作よりも強く描かれている印象を受けました。

新井:この作品は、未成年の子に手を出してもいいと肯定するものではないので、禁断の恋に反対するお母さんの目線を入れています。今、2人の恋を応援してくれている視聴者が多いですが、やっぱり世間でそれは許されないんだよという立ち場として、塩谷先生(夏木マリ)や愛子の存在があります。

――実写化の際に、原作ファンの存在は意識されましたか?

新井:そうですね。原作にあるシーンをなくしたりせずに同じセリフを使うようにしていますし、ひとつひとつ丁寧に描けるように努力はしてます。ただ、連続ドラマ化するにあたり、プラスαも加え物語を膨らませています。原作はまだ完結していませんので、かわかみ先生からお許しをいただいて、ドラマオリジナルのラストを描いています。

――塚原さんとは、今回はどんな話し合いをして進めていったのでしょう?

新井:塚原監督とは物語の淡く綺麗な世界観をどういうふうに出していこうかという話をしました。この作品は、淡い感じを出したいと考えて。海の青さをいかしたいと思い、「海の近くの学校で撮影してみる?」と。原作で晶は海のそばに住んでるわけではないのですが、海や田んぼなど色鮮やかな自然にあふれたところで美しい景色を取り込めたらいいんじゃないかと話をして決めていきました。あとは、音楽にもこだわりましたね。この作品は繊細なピアノの旋律が必要だなと思い、色んな音楽家さんの曲を聞いていくなかで、小瀬村(晶)さんの音楽に出会いました。小瀬村さんは連続ドラマの音楽を手がけたことがない方でしたが、絶対に小瀬村さんの世界観が合う! と思い、お願いしました。さらに信澤(宜明)さんにも参加してもらって、小瀬村さんはピアノの旋律を、信澤さんはサスペンス調の音楽を担当してもらいました。二人の世界観がとても作品にマッチして、「音楽がいいね」と言ってもらえるのがとても嬉しいです。また、晶が中学生から高校生へと移る成長期の3年間の変化も重要でしたね。晶の成長を見せるために、髪を短く切りました。

――作品を見ていて、どこか『Nのために』のような雰囲気を感じることが多いのですが。

新井:よく言われるんです。作風は違いますが、おそらく、『Nのために』も話が辛いから、綺麗な映像を撮ろうと作っていったので、それで似ていると感じるのかもしれませんね。

――今後の見どころについて、メッセージをお願いします。

新井:第9話から話が大きく動いていきます。第8話で「キャー!」だったら、9話で「ギャー!」という具合に(笑)。聖が変わって、それによって晶も変わるというターニングポイントですね。そのあとの10話でも、2人の気持ちが盛り上がっていくのですが、また、悲しい展開も訪れる、ジェットコースターみたいな展開になっていきます。

(取材=島田怜於/文=大和田茉椰)

■公開情報
火曜ドラマ『中学聖日記』
TBS系にて、毎週火曜22:00~23:07放送
出演:有村架純、岡田健史、町田啓太、マキタスポーツ、夏木マリ、友近、吉田羊、夏川結衣、中山咲月
原作:かわかみじゅんこ『中学聖日記』(祥伝社フィールコミックス)
脚本:金子ありさ
演出:塚原あゆ子、竹村謙太郎、坪井敏雄
主題歌:Uru「プロローグ」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
製作:ドリマックス・テレビジョン、TBS
(c)TBS
公式サイト:http://www.tbs.co.jp/chugakuseinikki_tbs/

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