高杉真宙、粗暴なアウトロー役でさらなる飛躍 『ギャングース』は2018年の集大成に
高杉真宙は2018年もすごかった。2017年は映画『ReLIFE リライフ』や『トリガール!』、ドラマ『セトウツミ』(テレビ東京系)などでティーン層の観客からの支持を集める一方、『散歩する侵略者』などでコアな映画ファンたちからの注目も浴びるようになったが、今年はその活躍をさらに拡張させた印象だ。そんな彼の2018年の集大成的な作品として、主演の一人を務めた『ギャングース』が公開されたばかりである。
本作で高杉が演じるのは、少年院あがりの青年・サイケ。彼は仲間のカズキ(加藤諒)、タケオ(渡辺大知)とともに、犯罪者をターゲットにした“タタキ”を生業としている。つまりはアウトローだ。ロングヘアーも特徴的だが、やはりその粗暴なキャラクター像が強く印象に残る。ダークサイドを歩まざるを得ない若者の怒りを、その声音やセリフの端々に滲ませている。たびたび上げる彼の叫びに、立場は違えど、何か共感めいたものを感じた方もいるのではないか。そうそう縁のある世界のお話ではないのだが、高杉は非現実的な存在ではなく、あくまで“等身大の若者のひとり”として演じていたように思えた。
高杉はこれまでにも、不良やチンピラなど、粗暴なアウトローたちを演じてきている。2014年公開の『渇き。』で扮した不良グループのリーダー格の極悪っぷりも、いまだ鮮明に覚えているが、今年は『君が君で君だ』で、端的に表して“クズ”なヒモ男を肩肘張らぬ演技で見事に体現しているのだ。
しかし、友情モノとしての側面も持っている今作『ギャングース』では、そんな粗暴な姿だけでなく、ときおり若者らしい繊細さも垣間見せている。そちらの高杉の一面については、今年の活躍を振り返ってみれば見えてくるものも多いだろう。