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『ダムド・タワー -ホスピタル サイト-』インタビュー

仙頭武則が目指す、VRを用いた次なる映像体験 「原点へ帰ることが一番重要」

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 映画でもない、従来のVRアトラクションでもない、ましてやお化け屋敷でもないーーまったく新しい映像体験を味わえる作品『ダムド・タワー -ホスピタル サイト-』が現在、名古屋テレビ塔で12月24日まで開催している。作品の企画・プロデュース・総合演出を務めたのは、1990年代、諏訪敦彦、青山真治、河瀬直美ら新進気鋭の監督たちのプロデューサーとして、世界で高い評価を受ける作品を世に送り出した仙頭武則。『リング』『女優霊』でタッグを組んだ高橋洋が監修を務め、今までにない恐怖体験を提供している。

 リアルサウンド映画部では、本作を体験したうえで仙頭武則にインタビュー。数々の異色作を生み出した名プロデューサーがどんな仕掛けを施したのか、じっくりと話を訊いた。

「“怖がらせる”ことは簡単」


ーー予想以上の恐怖体験でした。VR技術もどんどん進化していく中、体験者が限りなくリアルな世界を観ることができるようにもできたと思いますが、あえて無機質なCGにしている。その狙いはどんなところにあったのでしょうか。

仙頭武則(以下、仙頭):CGクリエイターの世界では実物に近づけることが技術の向上であり、技術者たちも限りなく本物を目指そうとします。でも、本物を見せたいならわざわざVRでやる必要はない。むしろ、パッと観て誰でも分かるような、リアルとは正反対のCGの世界を作ろうと思いました。そんな世界に入ると、現実とのギャップに心理的な作用が生まれるのではと。監修を務めてくれた高橋さんがあらゆる方法を取り入れてくれたこともあるんですが、正直“怖がらせる”ことは簡単なんです。それよりも、VR体験の中で自分自身の感覚を分からなくさせ、異空間に誘う。そのために、あえてみえみえのCGにすることが重要だったんです。CGを施すクリエイターの方たちは、質感等をリアルにするために、あえて“汚し”を入れるんですね。でも、僕らが求めていたのはリアルな世界ではないので、作品の舞台を近未来に設定して、新品っぽさを出すために汚れがいらないんだと説得しました。

ーーやはり、技術周りの方々は、「もっとリアルにできますよ」と意見があったのですか?

仙頭:そうなんです。「普通だったらこうしますよ」「もっときれいにできますよ」と。映画製作でも、「普通」と言われると「本当にそうなの?」と疑って、真逆のことを考えてきたので、今回も同じでした。VRは横の動きしかできない、と言うのなら縦の動きも入れてみようよと。

仙頭武則

ーー確かに作品の中に入った瞬間、CGと頭ではっきりと判断できるからこそ、自分がまったく違う世界に誘われてしまった感覚がありました。

仙頭:そう言っていただけてうれしいです。リアルだと体験者はそこに日常を感じてしまう。みえみえのCGだからこそ、体験者が絵の中を歩いているような感覚になってくれればと。

ーー新鮮だったのが、自分自身の身体を動かし、予想以上に部屋を歩き回ったことです。ヘッドセットを付けていると、自分が正方形の部屋にいるという感覚がありませんでした。

仙頭:そもそもの出発点として、「怖がらせる」ことよりも、4m×4mの空間で何ができるか、そして体験者にはもともとのリアルな空間にいたことを忘れさせる仕掛けを考えました。横だけではなく、縦の動きも取り入れ、階段を昇る代わりに体験者にエレベーターに乗ってもらおうと。だから最後に待ち受ける“高さ”も十分に感じていただけると思います。どれだけ体験者の視覚を揺さぶることができるかが一番の重要点でした。

      

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