>  >  > 『あなたには渡さない』水野美紀が鬼に

水野美紀、“鬼”になる 『あなたには渡さない』木村佳乃に向ける激しい敵意

関連タグ
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 ドラマ終盤、旬平が通子との離婚を決意したのは、料亭の倒産危機から家族を守るためだと明かされる。彼なりの妻への思いでもあったようだ。しかし通子は旬平の頰を叩き「バカにしないでよ!」と一喝する。平凡な主婦として過ごしてきた日常を、夫の不倫によって破壊されたことで、通子の”1人の女”としての強さが開花した瞬間だった。旬平を一喝した通子の表情には、ドラマ冒頭の平凡な主婦の顔は見られない。

 離婚を条件に料亭「花ずみ」の女将になることを決意した通子。通子は多衣に婚姻届を渡しに行く。その行動に戸惑う多衣だが、通子は婚姻届を「6,000万円で売りに来ました」と言う。全ては「花ずみ」の再建のためだ。後ろを振り向かない彼女らしく、凛と前を向き多衣と対峙する通子。

 木村はたった1時間のドラマの中で、絶望的な出来事に打ち砕かれた女の姿と、本来の強さを開花させた女の姿を演じ分けた。冒頭で劣勢だった通子の顔はそこにない。最後の対峙シーンでは、多衣のほうがたじろいでいるように見える。第2話以降は、2人の激しいマウンティングが繰り広げられることだろう。これから始まる愛憎劇にふさわしい幕開けだった。

 また第1話では、通子と多衣の対峙を印象づける特徴的な演出があった。多衣が通子に対して辛辣な言葉を浴びせるシーンがある。通子の存在を憎み、通子のことを「嫌らしい女」と吐き捨てる多衣の顔には、燃え盛る炎のようにメラメラと動く照明が当てられていた。旬平を手に入れるために「鬼になった」と話す多衣。その顔は歪み、炎のような照明と合わさって、多衣が通子に対して抱く激しい敵意が存分に伝わってくる。

 今後も彼女たちの鬼のような心が伝わってくるシーンが登場することだろう。特徴的な演出にも注目していただきたい。

■片山香帆
1991年生まれ。東京都在住のライター兼絵描き。映画含む芸術が死ぬほど好き。大学時代は演劇に明け暮れていた。

■放送情報
土曜ナイトドラマ『あなたには渡さない』
テレビ朝日系にて、毎週土曜23:15〜放送
出演:木村佳乃、水野美紀、田中哲司、萩原聖人ほか
原作:連城三紀彦『隠れ菊』(集英社文庫刊)
脚本:龍居由佳里
ゼネラルプロデューサー:黒田徹也(テレビ朝日)
プロデューサー:川島誠史(テレビ朝日)、清水真由美(MMJ)
演出:植田尚、Yuki Saito
制作:テレビ朝日/MMJ
(c)テレビ朝日
公式サイト:https://www.tv-asahi.co.jp/anawata/

      

「水野美紀、“鬼”になる 『あなたには渡さない』木村佳乃に向ける激しい敵意」のページです。の最新ニュースで映画をもっと楽しく!「リアルサウンド 映画部」は、映画・ドラマ情報とレビューの総合サイトです。

表示切替:スマートフォン版 | パソコン版