戸田恵梨香が語る、ムロツヨシと築く『大恋愛』のアプローチ 「2人の仲で大事なものを大切に」

戸田恵梨香が明かす、自身の恋愛観

「ムロさんの人としての魅力が溢れている」

ムロツヨシ

ーー戸田さんからみて、ムロさんはどんな方でしょうか?

戸田:ムロさんは本当に優しいし、すごく周りを見ていて、頭がキレる方です。ある意味ガードが固いなというのは今までも感じていたんですけど、その奥を今回見せてくれているような気がしています。今回の作品で一緒になってみて、ムロさんの器の大きさが尋常じゃないというのは、新たな発見でした。

ーー試写会でのトークショーでは、「ムロさんの目が魅力的」と話していましたね。

戸田:真司もムロさん自身である部分がたくさんあるんですよね。全部魅力的ですが、その中でも私は“目”だと思います。第1話でいうと、尚と真司が初めて出会って、引っ越し作業が終わって、引越し屋の3人がトラックの中で会話をしているシーンで、『砂にまみれたアンジェリカ』の本の回想開けの真司の目が、私は一番好きなんです。すごい目をするなと。真司はムロさんの人としての魅力が溢れている人物だと思います。

「尚は恋愛を知らなかった」


ーー戸田さんは尚という役を悩みながら演じていると伺いました。

戸田:今までやってきたいろんな作品の中でも、とにかく繊細で難しい役を演じているんだなと実感しています。第1話で、理性的な尚が真司と出会うことによって、本能を知り、自分の今までの価値観がまるっきり変わってしまって、どうすればいいのか分からないと言っているシーンは、尚自身が「分からない」ということは、私にもやっぱり分からなくて。第1話の台本を読んだときに、尚のことを「この人は二重人格なのかな?」とも思ったんです。尚がどういう人なのかさっぱり分からなくて、2話、3話を読んでも、分からなかったんです。徐々に病気が進行していき、真司だけではなくいろんな人と深く会話をしていく尚を見たら、ようやく、この人は分離している人ではないんだなと気づけて、腑に落ちたというか。第4話の台本を読んでから、ようやく「あ、尚を演じられそう」と思いました。だから、すごい時間がかかりましたね。それでも自分の中で明確になっていない部分はたくさんあったので、監督と現場で話をしながら、共通認識を持った上で撮影しています。

ーー第1話では、尚が侑市(松岡昌宏)と合理的な結婚を目前にしたところで、真司との運命的な出会いに走っていきましたが、過去に尚はどういう恋愛をしていたのかが気になりました。

戸田:たぶん、尚は恋愛を知らなかったんですよね。いろんなものを理論で考えていたときに、考え方が一緒かどうか、そこで合うか合わないかのジャッジをしていっただけで、少なからず合うということは、「この人のこと好きなのかな」って思った瞬間でもあったじゃないかなと思うんです。人を愛することがどういうことなのかは理論じゃないと思っているので、その答えを尚はきっと持っていなかったんじゃないかなと。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「インタビュー」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる