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朝ドラ“らしさ”は必要不可欠? 安藤サクラ主演『まんぷく』で王道回帰なるか

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 波瀾万丈に満ちた展開で、放送中もさまざまな物議をかもした『半分、青い。』が幕を閉じ、NHKの新朝ドラ『まんぷく』がスタートを切った。初週から平均視聴率は21.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマークする好調ぶりで、「安定感がある」「これぞ朝ドラ!」と視聴者の反応も上々だ。

 本作は、インスタントラーメンを開発した日清食品の創業者・安藤百福(ももふく)氏と妻の仁子(まさこ)さんという実在の人物をモデルにした物語。しかし、描かれるエピソードは実話をなぞるというよりは、ふたりの生き様に着想を得たフィクションとなる。戦後の混乱期を乗り越え、さまざまな事業を興しては失敗を繰り返す立花萬平(長谷川博己)と、彼を支える妻・福子(安藤サクラ)の夫婦愛を軸に、世紀の大発明をするまでの日々を活写していくという。

 今にして思えば、前作『半分、青い。』はまるで嵐のような作品だった。舞台は岐阜→東京→岐阜→東京とめまぐるしく変わり、主人公・鈴愛の職業も、漫画家→百円ショップの店員→無職→五平餅カフェ店員→ベンチャー企業入社→起業と、転身を繰り返し、ひとところにとどまる描写が少なかったのもあると思うが、鈴愛が周囲が止めるのも聞かずひたすら暴走する、思い込んだら一直線タイプだったことも作用したと思う。とにかく落ち着かない娘だったが、その分、バイタリティあふれる個性的なヒロインだった。一方、物語の展開も、ヒロインが生まれる前のまだ胎児の状態からスタートしたり、片耳が聞こえないハンデを背負っていたり、離婚によってシングルマザーになったりと異例ずくめ。脚本を務めた北川悦吏子の「まだ誰も見たことのない朝ドラ」をとの思いは十二分に果たされたが、その分、少なからずバッシングの憂き目にあったのも事実。始めこそ、定番からの脱却は大いに歓迎されたが、やはり朝ドラには一定の“らしさ”が必要ということを改めて痛感した。

 では、新番組『まんぷく』はどうかというと、現在の展開と視聴者の反応を見るに、十分王道として受け入れられているようだ。たとえば、夢見る夫を支える健気な妻という、いわゆる“内助の功”の物語は、『ゲゲゲの女房』『マッサン』『わろてんか』など数々の作品で描かれてきたテーマだし、「インスタントラーメン」という身近な食べ物にまつわる物語という部分も興味を引く。そして役者陣はというと、安藤サクラは映画をメインにキャリアを磨いてきた人だし、長谷川博己も舞台出身の実力派だ。近年は、ヒロイン、相手役ともども気鋭の若手女優やイケメンのキャスティングが続いていただけに、落ち着いた芝居が見られそうな期待もある。とはいえ、安藤にとっては普段あまり演じないような天真爛漫なキャラクターだし、長谷川も比較的骨太な作品が続いた後での抜擢で新鮮さは十分。おそらく登場人物たちが実年齢に近い中年以降になってからのパートが本領発揮となるだろう。そして今回、脚本を務めるのは福田靖。これまで『HERO』『海猿』『龍馬伝』などを手がけてきたヒットメイカーが、朝ドラに初挑戦している。制作発表では「自分が書くものはすべて、ユーモア、コミカルな要素は不可欠だと思っている。暗い話には絶対にならないように、朝から皆さんが楽しい時間を過ごせるようなドラマにしたい」とコメント。奇をてらわず、朝ドラ“らしさ”を全面的に押し出した作品を目指しているとの決意表明とも見て取れる。

      

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