『黄昏流星群』佐々木蔵之介が50歳で挑んだ“運命の恋” 「清く正しく美しくあろうとしている」

『黄昏流星群』佐々木蔵之介インタビュー

 10月11日より放送がスタートする木曜劇場『黄昏流星群~人生折り返し、恋をした~』(フジテレビ系)。本作は、人生の折り返し点が近づき、これからの人生を考え始めた大人たちを主人公としたラブストーリーに仕上がっている。弘兼憲史の同名漫画の中の第1集「不惑の星」を原作とし、佐々木蔵之介が初の恋愛ドラマ主演を務める。佐々木の妻を中山美穂、そして偶然の出会いによって主人公が心惹かれる女性を黒木瞳が演じている。

 リアルサウンド映画部では、主人公・瀧沢完治を演じる佐々木蔵之介にインタビュー。妻子を持つ50歳、エリート銀行マンながらいきなりの左遷をきっかけに、妻以外の女性に惹かれていく様子をどう演じたのか。初のラブストーリーを演じた手応えや、同じ50歳として完治に共感する部分について話を聞いた。(編集部)

「恋多き人たちが集まっているわけではない」

ーーオファーをもらっていかがでしたか?

佐々木蔵之介(以下、佐々木):私の演じる瀧沢完治はエリート銀行マンで、出世のために家庭を顧みず、仕事ばかりやってきたのに、意図せず左遷されてしまいます。 私自身もサラリーマン経験があるし、ちょうど黄昏世代の50歳。今回は、等身大の役ができるな、という思いです。

ーーそんな人が、妻以外の女性に恋心を持ってしまうという。

佐々木:完治は、本当に仕事ばかりやってきた男です。自分の仕事にとってマイナスになるようなことはすべて排除してきたのに、思いがけない理由で左遷になり、さらに運命の女性に出会ってしまう……。奥さんからしたら、なにそれ? という感じかもしれませんが(笑)。みなさん、物語の設定だけ見たら「これなに? ありえない」ってなるかもしれませんが(笑)、登場人物はみんなある意味とても真面目に生きてきた人間で、恋多き人たちが集まっているわけではないという点が、このドラマの面白さだと思います。

ーー佐々木さんは今回が初めてのラブストーリー主演ですね。

佐々木:僕は最初、この話はヒューマンドラマだと思っていたのですが、取材などで「佐々木さん初めてのラブストーリーですね」と言われて、「えっ、そうなの? それはちょっと考えてなかったです」と(笑)。完治はずっと仕事に身を捧げてきたのに左遷されて、その気持ちを癒そうとスイスに行ったら栞さん(黒木瞳)と会ってしまった。そこから、完治はラブストーリーの主人公になってしまったんですね。だから、人はある時偶然ラブストーリーの主人公になる時があるんだな、と。

ーー実際にラブストーリーの主人公になってみていかがですか?

佐々木:ラブストーリーと言われてから、演じ方がわからなくなってしまって(笑)。黒木瞳さんも中山美穂さんも心得ていらっしゃるんですけど、僕だけがわかっていない(笑)。でも、喋っていない時、人の話を聞いたり、台詞がない時が重要だと思いました。たとえば、「あなたを想ってる」という台詞そのものではなく、言う前後の顔とか、ふとした瞬間に何かを想像している表情とか。

ーー黒木瞳さん演じる目黒栞はどんな女性ですか?

佐々木:黒木さん演じる栞は、絶対に自分から押そうとしないんです。完治はその控えめなところに惹かれてしまうのもあります。この人の力になってあげたいという気持ちを抱いているんだと思います。

ーー“50歳の恋愛”というのは、それより下の世代の恋愛とどう違うと思いますか?

佐々木:もちろん一括りには言えませんが、40~50歳で社会的立場や経験もあって、家族も部下もいると、気持ちだけで突っ走ることはしないですよね。いろんなことで、自分の中でストッパーをかけたりしていると思うんです。その中で、主人公たちは恋愛や仕事を通して、「あっ、こんな気持ち忘れた」という経験をしていくんです。でも、その時にストッパーが外れて、一気に流れていくわけでもない。なので、このドラマは、ドロドロには見えないと思いますよ。

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