沢村一樹の内に潜む“魔物”が顔を出す 『絶対零度』井沢と桜木の繋がりが明らかに

『絶対零度』井沢と桜木の繋がりが明らかに

 今回の第7話でテストケースにリストアップされたのは、新谷啓一(小柳友)。これまでのテストケースにおいて、危険人物から助け出そうとしている人物も犯罪者というパターンがほとんどであったが、例の如く、今回も“くず同士の殺し合い”であることに、小田切(本田翼)は葛藤する。田村が仕置人として制裁していた“くず”は、これからも生き続けていくからだ。

 「ミハンとは何か」が問われていく中で、小田切と山内(横山裕)、そして南(柄本時生)もまた田村の思いを背負い、初めて現場で犯人と直面する。第7話は、本田翼と横山裕の長尺による犯人とのアクションシーンが見ものだ。これまで、何度も殺陣のシーンはあったが、2人の格闘シーンは回を増すごとに迫力あるものになっていく。特に、今作が初のアクションだという本田の男気溢れる蹴りと頭突きには驚くばかりだ。そして、井沢もまた、2人に勝るとも劣らないハードなアクションシーンを犯人と展開する。その先で見せるのが、常軌を逸した犯人への揺さぶり。「なぜだ! 何で! 何でお前みたいなくずが、生き続けるんだ!」。その表情には、心の奥底に眠っていた田村への思い、井沢の中に潜む魔物が一線を越す寸前にいるような危うさを放っていた。

 物語の終盤では、井沢の妻子が殺された事件と桜木泉(上戸彩)が亡くなった事件とが繋がっていることが明かされる。そして、井沢は出所してくる宇佐美の元へ。「俺の妻と娘は組織の報復としてお前に殺された。違うだろ。誰なんだ? 誰に頼まれた?」。シーズン1、2の主人公・桜木の死という最大の謎に迫り出した『絶対零度』。第8話では、桜木の元上司でもある長嶋秀夫(北大路欣也)が登場。物語はいよいよ、最終局面に突入していく。

■渡辺彰浩
1988年生まれ。ライター/編集。2017年1月より、リアルサウンド編集部を経て独立。パンが好き。Twitter

■放送情報
『絶対零度~未然犯罪潜入捜査~』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00~21:54放送
出演:沢村一樹、横山裕、本田翼、柄本時生、平田満、伊藤淳史、上戸彩(特別出演)
企画:稲葉直人
プロデューサー:永井麗子(共同テレビ)
脚本:浜田秀哉
演出:佐藤祐市
制作:フジテレビ、共同テレビ
(c)フジテレビ
公式サイト:http://www.fujitv.co.jp/zettaireido/

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「国内ドラマシーン分析」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる