『コード・ブルー』成功の理由は“妥協なき追求”にあり? 劇場版ヒットの必然性を解説
映画版の評価が割れるとすれば、藍沢たち5人の成長を描いたテレビシリーズの総決算として作られていることだろう。CMを見た観客の中には、成田空港や海ほたるを舞台にしたパニック映画を期待した人も多かったかもしれない。実際、成田空港や海ほたるの場面は映画として見応えのあるものに仕上がっているだけに、尺が短いのが、もったいないとも思った。
独立した映画であることよりも、『コード・ブルー』らしさを優先したのは本作らしいと思うが、同時に、これだけの作品を作るチームが、パニック映画を作ったらどんなものになるのだろうかとも考えた。ドラマでも映画でもいいのだが、例えば『シン・ゴジラ』のような映像作品を作ったらどうなるのか? 本作を見ていると、そんな期待が膨らむ。
『コード・ブルー』はしばらくお休みかもしれないが、圧倒的な力量を示した増本たち制作チームが次に何を手がけるのか、とても楽しみである。
■成馬零一
76年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。
■公開情報
『劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』
全国東宝系にて公開中
出演:山下智久、新垣結衣、戸田恵梨香、比嘉愛未、浅利陽介、有岡大貴(Hey! Say! JUMP)、成田凌、新木優子、馬場ふみか、新田真剣佑、かたせ梨乃、山谷花純、丸山智己、杉本哲太、安藤政信、椎名桔平
監督:西浦正記
脚本:安達奈緒子
音楽:佐藤直紀
プロデュース:増本淳
主題歌:Mr.Children「HANABI」(TOY'S FACTORY)
配給:東宝
(c)2018「劇場版コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-」製作委員会
公式サイト:http://www.codeblue-movie.com/