山崎賢人の“ぬくもり”が観る者の心をほぐす? 『グッド・ドクター』の注目ポイントを紹介

『グッド・ドクター』が描く小児外科の物語

 7月12日22時から、山崎賢人主演の木曜劇場『グッド・ドクター』(フジテレビ系)がスタートする。本作は2013年に韓国、2017年に『グッド・ドクター 名医の条件』としてアメリカでも放送されたドラマを原作に、日本の現状に合わせてリメイクしたメディカル・ヒューマンドラマ。先日行われた完成披露試写で一足早く第1話を鑑賞した筆者が、その見どころを紹介したい。

 山崎演じる主人公・新堂湊は、自閉症スペクトラムでコミュニケーション能力に障害がある一方で、驚異的な暗記力を持つサヴァン症候群の青年。幼い頃から医師になることが夢だった湊は、研修医として小児外科の世界に飛び込むことになる。湊は大学を首席で卒業するほどの実力の持ち主だが、子供のように純粋な心を持つため“大人の事情”というものがわからない。人の心を慮ることができずに思ったことをストレートに口にしてしまうため、周囲との衝突やさまざまなトラブルを起こしてしまうのだ。

 大きな見どころとしては、やはり山崎の演技だろう。山崎の直近の連ドラ出演といえば、今年1月~3月に放送された『トドメの接吻』(日本テレビ系)だが、ここで演じたのはナンバーワンホスト・堂島旺太郎。金にしか興味のない旺太郎の見事なクズっぷりが大きな話題となる一方で、壮絶な過去からの解放や、本当の愛を知ったことで大きく変化していく感情を細やかに演じきり、役者として評価されることとなった。

 最近では、『陸王』(TBS系)で自分が本当にやりたいことを探りながら悶々とする就活生、映画『羊と鋼の森』ではひたむきで繊細なピアノ調律師役なども好演してきた山崎だが、それでも旺太郎のように派手な若者や、少女マンガの実写化で描かれる王子様といったキラキラとした印象が強いのではないだろうか。だが、『グッド・ドクター』が始まってすぐに映し出される山崎は、そのイメージと相反する。湊は落ち着きのない手の動きが特徴的であるが、瞳の動きや表情だけでも自閉症の医師という難しい役どころを自分自身に落とし込んでいることがよくわかる。障害がある主人公のドラマであれば間違いなくその演技に注目が集まることとなり、大きなプレッシャーがかかる。それを乗り越えて本役柄に挑む、山崎の決意が伺えるオープニングである。

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